こんにちは。
ナチュラル薬膳生活文化普及協会理事長、薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです♪
これまで薬剤師、看護師、料理教室の先生、エステティシャン、薬膳の専門家になりたい大人女性のみなさんに、本格的な薬膳コースをオリジナルテキストで十数年教え続けてきた実績を持っています。
愛する家族の大好きな秋茗荷をささっと使って、家族の幼い頃からのおふくろの味を(忠実ではないのですが)再現しつつ、初期のカゼを予防ケアする家庭薬膳フードセラピーに活かしました。
冬のカゼを初期で撃退する薬膳フードセラピー「茗荷と干し海老のかき卵汁」。
夫が首をおさえてリンパが腫れているかもと言っていたのに、翌々日には泳ぎに行っていましたから、カゼを引き起こす「邪気(外から身体を襲ってくる病原体など)」を吹っ飛ばしたみたいです。
秋茗荷のなつかしい思い出
10月に入ったのに30度を超える夏日の残暑が断続的に訪れるここ最近の異常気象には参ってしまいます。
でもその一方、近隣のスーパーマーケットには季節の移ろいを感じる秋本番の薬膳素材が、所狭しと並ぶようになりました。
その中でも目を惹いたのは柏市産の「秋茗荷(あきみょうが)」。
ほんのちょっぴり小さな袋に5個入りで地場野菜コーナーに並んでいました。
パッとそれを見てうわっつ高い!と感じてしまったのは、4~5年前までは家族の実家から毎年腐るほど、秋になると茗荷がドサッと送られてきていたからなのです。
その当時はキッチンで茗荷に混じった泥や枯草を洗い落として下ごしらえするにも一苦労。
こうした山の幸の贈りものがピタッと止まったのは義理の母が他界してからで、秋茗荷を見ると柚子や手作りこんにゃくなどをどっさり送ってくれた義母の笑顔を懐かしく思い出します。
茗荷は辛温解表類(しんりょうげひょうるい)に分類されている薬膳素材で、辛味を中心とする独特の発散系の芳香成分を含んでいます。
家族は子供の頃から茗荷を美味しくたくさん食べて育ったので、茗荷が大量に届くたびに大喜びでした。
ところが、実はわたくしはその茗荷の香りが子供の頃から大の苦手。
多くの日本人が喜ぶその和ハーブの香りが、どうしても好きになれません。
恐らく芳香を放つ精油成分の何かが体質に合わないのでしょう。
今でもはやりそのまま口に入れて鼻から香りが抜けると美味しいと思えないのです。
もちろん義理の両親に茗荷が嫌いだとは言えませんよね。
しかもご先祖のお墓参りで家紋が「丸に抱き茗荷」というふたつの茗荷が抱き合っている姿を模したデザインだというのを知ってまた驚き!
先祖来々、茗荷を愛してきた家系のようですからその歴史的文化的な食習慣を尊重しなくてはなりません。
しかし・・・苦手な大量の茗荷をどう扱ったらよいのか分からず、最初は困り果てました。
里山の沢に降りて茗荷を採るのが重労働なのを見たことがありますし、喜んで欲しいというお心は十分に伝わってきますので、それを無駄にはしたくありません。
そこで茗荷はすぐに傷みだすので、最初はフレッシュなうちに近隣におすそ分けをしていました。
そんな大量の茗荷をあますことなく全部使いきれるようになったのは、薬膳講師に転身してレシピ開発の研究をするようになり「茗荷の甘酢漬け」を作るようになってからです。
芳香成分を酢漬けにすると苦手な茗荷の香りが消えて、しゃきしゃきした歯ごたえが美味しくてびっくり!
しかも茗荷が美しいピンク色に染まり、漬け終わって茗荷の有効成分が十分に抽出されたビネガー液をドリンクにすると美味ではありませんか。
茗荷には複雑な芳香を生み出す精油成分だけでなく、食物繊維がたっぷり含まれています。
そのまま刻んで薬味として使うことが多い茗荷を、「鼻をつまめば」食べられることにはだんだん気づいていました。
そこで、香りがおさえられるし長期保存が利くからお酢に漬けてピクルスにしたらどうかなと思ってやってみたら大成功だったというわけです。
しかしここ最近は酢漬けを作るほど大量の茗荷が手に入るわけではないので、ほとんど作っていません。
こうしてナチュラル薬膳生活のブログ記事を書きながら4年前の薬膳レシピ画像を引っ張り出してきて、ああまた食べたいなあ・・・と、なつかしい気持ちになりました。
秋茗荷の発散系の辛味で初期のカゼを予防・治療
薬膳フードセラピーはその目的によって薬膳素材の調理法を決めていきます。
例えばカゼの初期症状を見極めて早めに対応するために茗荷の辛み成分を使おうと思ったら、先にご紹介した甘酢漬けでは効き目が半減してしまいます。
なぜなら、辛味で身体の表面からカゼを引き起こす病原体のような邪気を発散させる芳香成分の作用が弱くなるからです。
だから、カゼの邪気が来たかな?っと思ったら、生のままの刻んだ茗荷を薬味に使って、発散系の辛味をそのまま使うのがマル。
家庭薬膳フードセラピーでこの働きを活かすために、先日は家族の大好物のカンタンおいしい「かき卵汁」をさっと作って仕上げに刻み茗荷を散らして供しました。
薬膳講師は家族から軽い不調の訴えがあれば、簡単な中医診断学の手法で体調を看て、その症状を和らげる薬膳素材を選び出して薬膳フードセラピーの目的に合う調理法でささっと家庭薬膳を作ります。
「ナチュラル薬膳生活」はこうしたライフスタイル医学の暮らし方。
大人女性の皆さんのキレイと健康に役立つ暮らし方を笑顔でお届けしています。
けいてぃーのまいにち薬膳素材
茗荷(みょうが) 辛温解表類 温 辛
肺大腸膀胱 発汗解表 散寒通陽 解毒散結
『ナチュラル薬膳生活入門編』 84ページ参照
『ナチュラル薬膳生活応用編』128ページ参照
須崎桂子
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