こんにちは。
ナチュラル薬膳生活文化普及協会理事長、薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです♪
これまで薬剤師、看護師、料理教室の先生、エステティシャン、薬膳の専門家になりたい大人女性のみなさんに、本格的な薬膳コースをオリジナルテキストで十数年教え続けてきた実績を持っています。
このところ新しいホームページを作っているので、フロントのご案内ページなどに挿入する家庭薬膳の賢女の食卓イメージをいろいろな角度から試し撮りをしています。
今日は豚ハツを山芋など冷蔵庫の残り物のお野菜と枸杞酒で炒めたアンチエイジングの薬膳は、こんな感じで撮ってみました。
ところで薬膳は中国伝統医学(中医学)の理論を用いて、健康の維持増進・病気の予防治療の目的をもって作る食事療法です。
もし、アンチエイジングの薬膳が目的なら、中医学の視点からエイジングを緩やかにするため、体を滋養するいろいろな薬膳食材を使えます。
冷蔵庫の中にちょっとずついろいろな食材が残ってしまって、何の料理に使おうか困ってしまうことはありませんか?
実はそんなお悩みの解決にも役立つフードセラピーのひとつが、アンチエイジングの薬膳。
こってりした食材を食べ過ぎて消化できなくなるほどでなければ、滋養強壮によいさまざまな食材を、こんな風にてんこ盛りでお料理しても大丈夫だからです。
実は冷蔵庫の残り物を使い切りたいときに、滋養したり消化吸収を助けたりする薬膳食材を集めて一緒に調理すると、老化防止に役立つアンチエイジングの家庭薬膳をさっと作れることが多いです。
料理写真の撮影がてら、ありあわせ食材で作った今回の料理も、そんな感じでアンチエイジングに役立つ一品になりました。
そこで今日は、冷蔵庫に残った薬膳食材を使い切るのにも役立って、アンチエイジング薬膳づくりにも役立つ3つのポイントをご紹介させていただきます。
アンチエイジングの薬膳とは
アンチエイジングというと、老化防止という直訳がポン!と頭に思い浮かぶとおもいます。
でも現実に老化を完全にストップつまり防止して、不老不死になるのは自然の摂理に反するから無理な話。
ちょっと小難しい言い方にはなりますが、実際には不可逆的に進行する老化のプロセスを緩やかにするのが、アンチエイジングの薬膳です。
薬膳は中医学の理論にもとづいて、食べる人にとって適切な食材を組み合わせて作る食事療法です。
だから、冷蔵庫から半端に残った食材を処分したいからといって、食べる人に合わない食材も全部ごちゃまぜに料理したら、アンチエイジングどころか薬膳ではなくなります。
それでも、難しく考える必要はありません。
老化を緩やかにする中医学の考えにそって薬膳レシピを作るのに、知っておくべき3つのポイントをおさえてお料理すれば大丈夫。
冷蔵庫を覗いて使いかけの食材や残り物をいろいろ見つけて、今日は一緒にお料理に使いきっちゃおうかなというときは、アンチエイジングの薬膳を作る絶好のチャンス。
特殊な中華食材を揃えなくても、日本の家庭の冷蔵庫にある食材でアンチエイジングの薬膳は作れます。
ここでご紹介する若々しさのモト・若さを貯める食材・冷やさない調理法、3つのポイントを貯めて、人生100年時代、美しく健やかなシニア世代にそなえて若々しさを貯金しませんか?
冷蔵庫の食材でアンチエイジング薬膳~未来に若さを貯める3つのポイント
1.腎が持つ若々しさのモトを知る。
2.滋養強壮の食材で若さを貯める。
3.冷やさない温める方法で調理する。
では未来のアンチエイジングに役立つ、これら3つのポイントを詳しくみていきましょう。
1.腎が持つ若々しさのモトを知る。
アンチエイジングの最初のポイントは、腎は若々しさのモトを貯えているということ。
腎と聞くと腎臓を思い浮かべると思いますが、中医学でいう腎と現代生理学の腎臓は機能という意味で解釈が違う点があります。
中医学の考え方を生んだ中国の古代哲学の「五行説」の中で、腎は五臓という臓器のひとつで、冷たい「水」がシンボルの水行(すいぎょう)に属していると考えられています。
それは中医学で腎は泌尿器のはたらきを持つほか、腎は「若々しさのモト」を貯えている臓器だととらえられていることなんです。
だから、アンチエイジングの薬膳を作りたいなら、わたくし達の体の「腎には若々しさのモトが生まれた時から存在している」という中医学の考え方を知っておくことはとても大切。
若々しさのモトは現代医学で例えると、成長を促したりや若さを維持する性ホルモンのような物質です。
中医学では年齢とともに体が老化していくのは、この若々しさのモトがだんだん減ってくるからだと考えられてきたんですね。
だから、生まれつきわたくしたちの腎にそなわっている若々しさのモトを知っていれば、若々しさのモトを補い続けることで、エイジングを緩やかにできるのが分かるのです。
2.滋養強壮の食材で若さを貯める。
では次に若々しさのモトをどうやったら補い続けることができるのか、薬膳の視点から考えてみましょう。
中医学の理論にもとづいている薬膳の方法のひとつには、「カラダに足りないモノは食べて補う」という基本の考え方があります。
アンチエイジングの薬膳は年齢を重ねるごとに失われていく若々しさのモトを補うのが基本。
ですから食材の中でも特に「若々しさのモト」を貯める薬膳素材を選びます。
そしてさらに、命をつなぐのに欠かせない生体エネルギーの「気(き)」や、全身を滋養する「血(けつ)」を取り入れる滋養強壮の食材を積極的に使うのです。
冒頭で撮影のために作ったアンチエイジングの薬膳「豚ハツと山芋の枸杞酒炒め」を例にすると、腎をに若々しさのモトを補給する代表選手の薬膳食材は山芋や枸杞の実です。
山芋は食材ですが、中医学では山薬(サンヤク)というお薬、そして枸杞の実も食材ですが、中医学では枸杞子(クコシ)というお薬として使われています。
山芋も枸杞の実も腎に若々しさのモトを補うほか、山芋は気を補給する働きがありますし、枸杞の実には血を補給する働きがあります。
枸杞の実をホワイトリカーに漬けてかんたんに作れるアンチエイジングの薬膳調味料「枸杞酒」の作り方については、下記をご参照ください。
アンチエイジングの薬膳酒・調味料にも 枸杞酒
また、メインに使った豚ハツは豚の心臓なので、血を補給する働きがとても強い動物性の滋養強壮の薬膳食材です。
そして、キッチンや冷蔵庫に残っていた大蒜(にんにく)、長葱(ながねぎ)、セロリも一緒に傷めてしまったのですが、どれも薬膳食材ばかりのてんこ盛り。
滋養強壮で有名なにんにくはお腹を温めて消化を助けるほか、メディカルハーブの薬草でもあり、強い抗菌力や抗がん作用を持っているので感染症や悪性腫瘍を予防する薬膳にも使われています。
長葱は循環を促すはたらきのある薬膳食材なので、全身に取り込んだ滋養を巡らすのに大変役立ちます。
セロリは熱を冷まし解毒するデトックス系の薬膳素材なので、滋養を補給する山芋や豚ハツなどとは正反対に働きます。
しかし、セロリのような解毒系の薬膳素材も少量をバランスよく組み合わせることで、食べたものの消化を助けて胃もたれやお通じのトラブルを予防するメリットもあるのです。
このようにアンチエイジングの「山芋と豚ハツの枸杞酒炒め」は、冷蔵庫にあった滋養強壮の食材などがてんこ盛り。
でも、ちゃんと中医学の理論にそって作成した薬膳フードセラピーなのです。
3.冷さない温める方法で調理する。
そして最後に大切なのが冷えやすい腎を温める調理の方法。
五行でご紹介したとおり腎は冷たい水がイメージの冷えやすい臓器です。
腎を冷やすことはアンチエイジングの逆、つまり老化を早めることに繋がります。
ですから冷蔵庫の食材でアンチエイジングの薬膳を作るなら、熱々のご飯もの、炒め物、スープなど加熱調理をして、生食のような体を冷やす調理法は避けるのがお勧めです。
中医学ではせっかく滋養強壮の薬膳食材を使ってアンチエイジングの薬膳を料理しても、消化吸収をになう臓器を冷やしてしまうと、体にしっかり滋養が取り込めなくなると考えます。
滋養の高い温かい食事を摂って消化器を温めると、全身に若々しさのモトや気や血の材料がしっかり消化吸収されます。
ですからアンチエイジングの薬膳づくりには、腎はもちろん身体全体を温める調理法を選ぶのが大切なポイントとなります。
まとめ【アンチエイジングの薬膳とは】滋養強壮の薬膳食材てんこ盛り-冷蔵庫の残り物も無駄なく使い切ろう!
今回は冷蔵庫の残り物の中から滋養強壮に役立つ薬膳素材があったら、どんどん上手に組み合わせて温かい家庭料理を作ってアンチエイジングの薬膳を作れるお話しでした。
家庭料理にいろいろな食材を買っていると、使いきれなかったお肉やお野菜が冷蔵庫に少しずつ、結構残っているのに気づく時ときがあるでしょう。
そんなときは、いろいろな薬膳素材になる残り物の食材を冷蔵庫から出して、楽しく組み合わせながら、炒めたり、スープにしたり、ご飯に炊いたり、温かく料理してアンチエイジングに召し上がってみてくださいね。
アンチエイジングの薬膳には、未来に若さを貯める3つポイント貯金がありました。
ひとつめは、腎に「若々しさのモト」が生まれつき備わっているのを知ること。
ふたつめは、不足を補う滋養強壮の食材で若々しさのモトや気血を貯めること。
みっつめは、滋養を十分に消化吸収するために温かい加熱調理をすること。
家庭の冷蔵庫にある残り物の食材でも作れるアンチエイジングの薬膳の3つのポイントが、貴女の第2の人生を健やかに輝かせる賢女の食卓作りにつながれば幸いです。
須崎桂子
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