こんにちは。
ナチュラル薬膳生活文化普及協会理事長、薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです♪
これまで薬剤師、看護師、料理教室の先生、エステティシャン、薬膳の専門家になりたい大人女性のみなさんに、本格的な薬膳コースをオリジナルテキストで十数年教え続けてきた実績を持っています。
今朝は朝から蒸し蒸し。湿度が高いお天気になり、そろそろ梅雨入りの足音が聞こえてきます。
そこで、「蒸し蒸し」には「蒸し返し」で不快なお天気にお返ししませんか。
蒸しものの調理法で梅雨に起こりやすい浮腫みを予防・改善する季節薬膳がおススメ。
今日は梅雨どきの季節薬膳フードセラピーに、薬膳ライフコーチが朝ごはんに、蒸し物の調理法で、「たらと胡瓜の生姜蒸し」をおいしく食べたお話し、そして薬膳素材の胡瓜についてご紹介します。
蒸し蒸しが始まった!梅雨の薬膳に蒸す調理法のワケ
朝ごはんに昨日料理しそびれた鱈(たら)を早く使わなくてはと思いました。
そろそろ、イノシン酸がたら独特の臭いを放ち始めています。。。
ちょうどここ数日梅雨の走りで湿気がひどくなってきたので、浮腫みを除く働きのある白身魚を食べるのに、ちょうどいいコンディションです。
たらには100gあたり350mgも利尿作用のあるカリウムが入っているから、現代栄養学的にみてもこの時期の薬膳作りにふさわしいというワケです。
実は昨日の午後からとても夏の浮腫みを除く胡瓜が食べたい気分になってきたので、やはり身体が求めていたのでしょう。
昨日の夕方のお買い物で新鮮な柏地場産の朝採り胡瓜を3本買って、お夕食にりんごと胡瓜のサラダでおいしく頂いてさっぱりしました。
その前日の晩のうちに太めに刻んだ胡瓜がたっぷり残ったので、翌朝使おうとタッパに入れて薬膳づくりのパーツとしてスタンバイしておきました。
そして今朝、鱈(たら)を見たときに、胡瓜と一緒に蒸し物にして「蒸し蒸し」で起こりやすい浮腫みを予防する薬膳朝ごはんにしようと思い立ちました。
薬膳づくりでは、薬膳素材となる食材選びにばかり注意が向きがちですが、まず薬膳の目的であるゴールにむかってどんな調理法で中医レシピを組み立てるかも重要な要素です。
いつもなら朝ごはんにお魚を食べるなら、グリルで焼き魚にするか、オリーブオイルでムニエルにするのですが、今朝は「蒸し物!」とすぐに思いました。
なぜなら、湿気が多くて「蒸し蒸し」しているから、お天気に「蒸し返し」薬膳でうまく合わせて、今日も1日爽やかに過ごしたいと思ったからです。
「蒸し物」で「蒸し蒸し」による浮腫みを改善するとは、どういうことかと思う方もいらっしゃることでしょう。
それは、浮腫みを除く薬膳素材を水分と加熱で蒸して調理すると、その薬膳素材に含まれる水溶性のミネラルなどの有効成分がじっくり引き出されるからなのです。
だから、たらと胡瓜を頂いた後は薄味に仕上げた蒸し汁もしっかり飲みました。
例えば異なる調理法で、たらをファーストフードのバーガーにはさんである揚げものみたいにたっぷりの油でパリッとしたお魚のフライにしたり、甘い西京味噌漬けにしてグリルでこんがり焼いたらどうでしょう。
もちろん、おいしいお料理に仕上がることでしょう。
しかし同じ薬膳素材を使ったとしても、調理法が異なると薬膳の目的、ゴールによってはちょっと違うことになってきます。
なぜなら、揚げ物に使われる脂質は水分を代謝する臓腑に負担をかけるし、濃い甘味は身体に湿気を呼び込みやすいので、もしゴールが身体に溜まった水毒を除くことであるならば、目的から外れることになります。
つまり、お料理自体がいいか悪いかという問題ではなく、食事療法のゴールに対して調理法や薬膳素材がマッチしているかどうかという話しです。
もし、調理法や薬膳素材がゴールにマッチしていないと、中医レシピでゴールに合わせて組み立てた薬膳フードセラピーにはなりません。
浮腫み改善の薬膳!たらと胡瓜の生姜蒸し
今朝は鱈(たら)を見たとたんに、いつもならムニエルで頂くのが好きなのですが、本能的に昨日の残りの胡瓜と一緒に蒸し物でさっぱり食べたいと感じた次第です。
中医レシピの源泉は中国伝統医学(中医学)。
中医学ではわたくしたち人間の人体は他の生き物たちと同様に、大自然の一部であるがゆえに気候変動の影響を強く受けていると捉えます。
その変化に合わせて上手に生きていけば、病気にならずに健康に生涯を過ごせることを、教えてくれています。
ここ関東地方もそろそろ今日あたりから梅雨入りかもしれないと、今朝の天気予報では伝えられていました
ですから恐らく冷蔵庫から出したばかりの鱈(たら)を見て、身体が浮腫みを予感したから・・・「きっと胡瓜と一緒に蒸して食べたらきっとおいしいよ!」と教えてくれたのでしょう。
そこで、浮腫みを改善する薬膳フードセラピーとして「たらと胡瓜の生姜蒸し」にしてさくっと仕上げました。
実際に、今朝の朝ごはん薬膳は今日のお天気にマッチしていたからでしょう。
身も心も浄化してくれるように感じましたし、昨晩のりんごと胡瓜のサラダのおかげも相まってか、朝食の後はとても快腸ですっきりしました。
「たらと胡瓜の生姜蒸し」の中医レシピは、薬膳素材の胡瓜とともに、今朝のフェイスブックライブでお話ししていますので、よかったらご参照くださいね。
付録 体温調節系 清熱類 「胡瓜」 熱っぽい浮腫みに
なお付録ですが、熱を伴う浮腫みを改善する薬膳作りにおススメの清熱類の胡瓜(きゅうり)については以下「魂のごちそう薬膳素材♪胡瓜」動画レッスンがありますので併せてご参照ください。
※動画を見られない環境にいらしたり、お話しで出てくる中国伝統医学(中医学)や薬膳学の専門用語の漢字や読み方を確認したいときは、文章で続きをお読み頂けます。
胡瓜は体温調節系の清熱類(せいねつるい)に分類されている薬膳素材で、身体の中にこもった熱毒を取り除く野菜です。
「ナチュラル薬膳生活における薬膳素材の分類体系」は、「体温調節系」「営養補給系」「デトックス系」「機能補助系」の4つに分かれています(『ナチュラル薬膳生活入門編』p.21)。
胡瓜は薬膳素材の大きな体系のくくりの中で「体温調節系」に属します。
このようにナチュラル薬膳生活文化普及協会は、薬膳フードセラピーの暮らしを始める皆さんが薬膳素材を理解しやすいように独自の分類体系を設けて、ナチュラル薬膳生活専門家養成コースの公式テキストの「薬膳素材辞典」に収載しています。
清熱類というのは、身体にこもった熱を冷まして臓腑機能や器官の働きを改善する薬膳素材の分類です。
「清熱(せいねつ)」というのは、もともと中国伝統医学(中医学)で使う用語です。
身体は温める力と冷ます力がちょうど釣り合っている状態がベストなので、天候や熱病のせいで温める力が過剰になったら、解熱で本来の平衡状態の体温に戻して、わたくしたちの生命活動を健やかに維持しようとするのです。
それから薬膳素材には、体温に対して働きかけるか否か、どんなお味の性質があるか、五臓六腑のどこに主に働きかけるか、薬膳作りの参考となるよう特徴がひとつひとつ臨床経験の文献で伝えられてきました。
現代は先人の知恵に基づくデータが科学や栄養学で研究されている事例は少なくありません。
胡瓜 中医薬膳学な特徴と働き
◎体温に対する作用は、身体を緩やかに冷ます「涼」の性質です。
◎味性は、身体を滋養する甘味です。
◎中医内科学的な臓腑の解釈で、消化器系の脾と胃の働きを助けます。熱毒や老廃物を取り除く機能を持つ大腸にも働きかけます。
◎身体の中にこもった熱毒を取り除く「清熱解毒(清熱解毒)」という作用があります。
◎身体の中に生じた水毒の塊をほぐして利尿作用で取り除く「利水消腫(りすいしょうしゅ)」の働きがあります。
◎大腸に働きかけることで間接的につながりの深いお肌をきれいにする「潤膚美容(じゅんぷびよう)」という働きがあります。
胡瓜 現代栄養学的な働き
◎イソクエルシトリンというポリフェノールを含むので、熱によるのぼせや浮腫みや毒素を取り除く働きがあるため、「清熱解毒(せいねつげどく)」や「利水消腫(りすいしょうしゅ)」にも役立つのが分かります。
◎体内の水毒を利尿で取り除くカリウムを100gあたり200mgも含むので、「利水消腫(りすいしょうしゅ)」のデトックス作用を発現します。
◎抗酸化力の強いβ-カロテンやビタミンCが、肌の細胞を守りながらターンオーバーも促すので「潤膚美容(じゅんぷびよう)」にも働きます。
◎およそ95%以上が水分でありながら、利尿作用を持つイソクエルシトリンやカリウムも含んでいることも、余計な水毒を除きつつ肌を潤すのに役立つので、「潤膚美容(じゅんぷびよう)」よいのだと考えられます。
胡瓜については、薬膳講師が自ら執筆した公式テキストでもご参照頂けます。
人生を200%味わい尽くしたい大人女性の健美活に!「ナチュラル薬膳生活®(薬膳ライフ)」をどうぞお役立てください。
体温調節系 清熱類 胡瓜(きゅうり) *体温への作用・味の性質・臓腑への働きかけ・作用* 涼 甘 脾胃大腸 清熱解毒 利水消腫 潤膚美容 *栄養素・生理機能成分* カリウム βカロテン ビタミンC イソクエルシトリン |
胡瓜 参考文献は、薬膳講師の須崎桂子(すざきけいこ)著
『ナチュラル薬膳生活入門編』 p.89
【前期】コーディネーター養成コース 公式テキスト
『ナチュラル薬膳生活応用編』 p.130
【後期】アドバイザー養成コース 公式テキスト
まとめ 浮腫み改善の薬膳蒸しに鱈や胡瓜を使ったワケ
薬膳フードセラピーでは、目的(ゴール)に合う調理法や薬膳素材で中医レシピを組み立てます。
今朝はちょうど梅雨が始まり浮腫みやすい時期なので、浮腫みの予防や改善を例として、蒸す調理法や水毒を除く鱈や胡瓜を例に中医レシピ組み立ての考え方をご紹介しました。
胡瓜と同じく浮腫みを改善するのに役立つカリウムを含んだ鱈(たら)を組み合わせることで、浮腫みの予防・改善の相乗効果を狙った家庭薬膳です。
薬膳では身体の中に溜まった熱や老廃物の解毒を目的に、デトックスに働く瓜類の薬膳素材をよく使います。
スーパーで年中手に入れやすい胡瓜も、水毒のデトックスに役立つ手軽な薬膳素材の瓜類です。
そこで今回、胡瓜の働きも中医薬膳学と現代栄養学の視点から最後にご紹介させて頂きました。
薬膳を始めて人生を200%味わい尽くしたい未来志向の大人女性のみなさんのお役に立てば幸いです。
須崎桂子
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