こんにちは。

ナチュラル薬膳生活文化普及協会理事長、薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです♪

 

これまで薬剤師、看護師、料理教室の先生、エステティシャン、薬膳の専門家になりたい大人女性のみなさんに、本格的な薬膳コースをオリジナルテキストで十数年教え続けてきた実績を持っています。

 

ハーブ薬膳茶と須崎桂子

 

今日は「ナチュラル薬膳生活®(薬膳ライフ)」の薬膳調理に含まれる「フレッシュ煎じ液」の考え方を用いて浮腫みを改善するワケ、そして、梅雨の季節薬膳「グリーンピースご飯」のお話しとともにお贈りいたします。

 

浮腫み改善にグリーンピースでフレッシュ煎じ液をとるワケ

 

浮腫みを食事で改善するのにグリーンピースを使うワケは、薬膳の先人の知恵の経験則でグリーンピースが採れる植物、つまり、えんどう豆には身体のから「湿」と呼ばれる水毒を利尿で取り除く働きがあることが知られているからです。

 

「ナチュラル薬膳生活®(薬膳ライフ)」では、薬膳の源である中国伝統医学(中医学)の手法を使ってさまざまな煎じ液をとりますが、乾燥した生薬(中薬)だけでなく、グリーンピースのようなスーパーで買える新鮮野菜を使うこともあります。

 

これを薬膳ライフの中医レシピ組み立てでは、「フレッシュ煎じ液」と言います。

 

グリーンピースのフレッシュ煎じ液を漉しているところ
♣グリーンピースのフレッシュ煎じ液を漉しているところ

 

ちょうど今は梅雨の真っただ中で湿度が高く、うっとうしい雨空が続くシーズンですね。

  

中医学では大自然と人体をそれぞれ、大宇宙と小宇宙になぞらえており、小宇宙は大宇宙の一部分であるから、刻々と変わりゆく大自然の状況をもろに受けると考えられてきました。

 

 この考え方に基づくと、梅雨は大気がたっぷりと湿気を含んでいる季節なので、わたくしたちの身体の中に必要以上の湿(しつ)が入り込みやすく、出て行きにくくなるシーズンなのです。

 

中医学では、大自然と人間との調和をめざして心と身体の健やかなバランス状態を保つことで、病気を予防、そして健康の維持を目指します。

 

梅雨の雨に濡れる紫陽花
♣梅雨の雨に濡れる紫陽花

 

ですから、中医学の先人たちは規則的に巡りくる季節の法則性に着目して古くから、将来何が起こるかを予見して、予め準備しておく術(すべ)を見出しました。

 

そしてその自然観察から得た知見は、科学技術が発達した現代社会に生きるわたくし達にも脈々と引き継がれて、心身ともに健やかに生きて行くための指針のひとつとして使われているのです。

 

中医学にはさまざなセラピーの分野が含まれており、これを食事で行うのが薬膳フードセラピーなのですが、食養生ともいいます。

 

現在のように梅雨のシーズンの食養生であれば、たとえ浮腫みがなかったとしても、大自然の環境において湿度が高くなるから、自分の身体にもいずれ余計な水分が滞って「水毒」になるかもしれない。

 

だから普段の食事に気を付けて、浮腫みのような不調が現れる前に、予め身体から余計な水毒を利尿やお通じなどで取り除く食養生をしておこうと未来志向で準備しておくのです。

 

それでも残念ながら梅雨時の季節変化で浮腫みが生じてしまったら、その水毒をデトックスしたり、そして身体の中の水分を代謝する臓器の働きを高めたりする方法で中医レシピを組み立てます。

 

中医レシピというのは、中医学の理論にそって薬膳フードセラピーを組み立てる方法です。

 

 

グリーンピースには、利尿で体内の余計な水分を排出しながら、水分の代謝を担う中医学で「脾(ひ)」と呼ばれる消化器系統の機能を助ける働きがあります。

 

ちなみにここでいう脾は西洋医学の脾臓のことではなく、消化や水分代謝をになう観念的な臓器のことです。

 

グリーンピースのフレッシュ煎じ液の作り方は、動画レッスンでもお話しをしていますので、よかったらご参照ください。

 

  

メディカルハーブや現代栄養学の見地から捉えると、グリーンピースが採れるえんどう豆には、体内の水分量を調節する働きのあるカリウムが100gあたり200mg含まれていることが分かっています。

 

先人は経験則からえんどう豆には身体の中から余計な水毒を取り除く働きがあることを知っていたのですが、現代になってその理由がこのように科学的に立証されているケースは少なくありません。

 

梅雨の季節薬膳「グリーンピースご飯」

 

こうしたグリーンピースの働きを活用して、フレッシュ煎じ液をとって、梅雨の季節薬膳のグリーンピースご飯を炊きました。

 

グリーンピースご飯
♣グリーンピースご飯の豆とフレッシュ煎じ液は分けて薬膳調理に使います。

 

グリーンピースを煎じたら、豆も煎じ液も両方美味しく薬膳フードセラピーに使えますが、このテクニックでの補足ポイントは、熱いうちに豆とフレッシュ煎じ液を分けて冷ますこと。

 

熱いまま豆をフレッシュ煎じ液に浸けておくと、せっかくの美しい緑色が熱で褪色してしてしまうからです。

 

グリーンピースのフレッシュ煎じ液のテクニック
♣グリーンピースのフレッシュ煎じ液のテクニック

 

そしてお豆とフレッシュ煎じ液が冷めたら、両方を合わせて使いきれない分は冷蔵庫で保存して2~3日で使い切りましょう。

 

お豆は煎じてすぐに取り出して冷ましていると見る見る情けないほどしわしわになりますが、フレッシュ煎じ液に浸けると生まれたての赤ちゃんみたいにピンと細胞が蘇ります。

 

今回はフレッシュ煎じ液でグリーンピースご飯を炊いて、お豆の美しい緑の視覚効果を活かすために炊きあがってから蒸らしの段階で加えました。

 

始めからお豆を一緒に入れて炊いてしまうと、熱でせっかくの緑色がくすんでしまうからです。

 

薬膳ライフでは「うわあ!美味しそうな自然の色合い!」から生まれる色彩の心理効果で、身体も健やかになる「陰陽ホメオスタシスのネットワークシステム」を意識しながら健康の維持増進を図ります。

 

陰陽ホメオスタシスのネットワークシステム

 

なぜなら、伝統医学と現代西洋医学の両方の知見から、心の状態が身体の自律神経系・内分泌系・免疫系など総体的な健康バランスの調和を左右することが分かっているからです。

 

まとめ 梅雨の食養生にグリーンピースのフレッシュ煎じ液で薬膳ご飯

 

グリーンピースはスーパーマーケットでおなじみの食材ですが、薬膳ライフでいう梅雨時の食養生のための「フレッシュ煎じ液」の優れた薬膳素材になります。

 

なぜなら、どこのご家庭でも手軽に手に入れてかんたんに作ることができますし、扱い方のテクニックを知れば、美しくて食べるカラーセラピーにもなるお豆の緑が目にも鮮やかな薬膳の食卓をさっとしつらえることができるからです。

 

中医学の先人の知見では、梅雨どきは湿度が高いのでわたくしたちの身体に余計な水毒が溜まりやすい季節と考えられています。

 

グリーンピースが採れるえんどう豆には体内の水分量を適正に調節するミネラルのカリウムが含まれているので、水毒を利尿で身体の外に出すのに役立ちます。

 

そこで今回は薬膳ライフコーチ自身が普段の家庭薬膳で活用しているグリーンピースのフレッシュ煎じ液で、浮腫みを予防改善する薬膳ご飯をご紹介しました。

 

ぜひ、ご自身の薬膳のゴール(目的)に合わせて、こうした身近なグリーンピースなども活用してオトナ女子の日々の暮らしにお役立て頂ければ幸いです。

 

デトックス系 去湿類 えんどう豆

*体温への作用・味の性質・臓腑への働きかけ・作用*

平 甘 脾胃

利水滲湿 補気健脾 生津 通乳 解毒 理気

*栄養素・生理機能成分*

 カリウム 鉄 β‐カロテン 食物繊維

 参考文献

『ナチュラル薬膳生活入門編』 p.160
【前期】コーディネーター養成コース 公式テキスト

『ナチュラル薬膳生活応用編』 p.147
【後期】アドバイザー養成コース 公式テキスト

薬膳を深めて家庭や仕事で活かしたい方に、中医学理論で組み立てる本格的な薬膳実践コースを開講しています。

【基礎】薬膳実践コースへ入学をご検討の方に、薬膳体験パーソナルレッスンを実施しています。

薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーが、心・体・魂が整う薬膳生活メルマガをお届けしています。

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病気の家族や自分に食事療法を出来ず悩んでいたとき、薬膳と出会い、中医学の食事療法を知り学ぶ。しかし健康には食事だけでなく、適度な運動や休養も必要なのに気づく。抽象的な伝統医学に現代の生理学や栄養学を掛け合わせ、ライフスタイル医学の暮らし方「ナチュラル薬膳生活Ⓡ」を考案。2008年にナチュラル薬膳生活文化普及協会を設立して、心・体・魂を整える薬膳フードセラピーの暮らし方を社会に広め続けている。