こんにちは。
ナチュラル薬膳生活文化普及協会理事長、薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです♪
これまで薬剤師、看護師、料理教室の先生、エステティシャン、薬膳の専門家になりたい大人女性のみなさんに、本格的な薬膳コースをオリジナルテキストで十数年教え続けてきた実績を持っています。
今日は「ナチュラル薬膳生活®(薬膳ライフ)」の発酵薬膳で使う薬膳素材「酒粕(さけかす)」と「生姜(しょうが・しょうきょう)」の働きを陰陽学説のように用いて、梅雨寒の浮腫みと冷えの改善につなげる中医レシピの考え方をご紹介します。
そして、梅雨寒の朝ごはんに作った梅雨寒の日の浮腫みと冷えを改善する家庭薬膳「鯖の酒粕生姜煮」についてもお話しいたします。
発酵系の薬膳素材の酒粕(さけかす)を梅雨寒に使うワケ?
酒粕は日本酒の製造過程でできる絞りかすで、アルコールを含む発酵系の薬膳素材です。
日本酒を梅雨寒の薬膳づくりに使った理由は、「温(おん)」の性質を持ち、身体の節々に溜まった水毒を除いて、冷えによる痛みを緩和する働きがあるからです。
薬膳素材の分類としてはエネルギーを補給する「補気類(ほきるい)」に分類されています。
米麹の酵素は米をアルコール発酵させることで、ぶどう糖が連なって出来ているお米のでんぷんを断ち切ったり、たんぱく質を旨味のもとになるアミノ酸に変化させたりします。
酒粕は既に有効成分が熟成されて十分に分解されているので、消化器系統への負担が少ないので、薬膳素材としての効能のひとつに、消化吸収を助けて気(生体エネルギー)を生み出す働きが謳われています。
「ナチュラル薬膳生活®(薬膳ライフ)」では、このように発酵させた植物系の食材を全般的に、食物を気に作り変える力が弱い人の身体を滋養する薬膳素材として使っています。
酒粕は日本酒の搾りかすなのでアルコール成分が残っています。
ですから、アルコールにアレルギーがある場合は十分に加熱してアルコールを飛ばして薬膳作りに使います。
少量でもアレルギーでアルコールが体質に全く合わない場合は、酒粕は利用せずに代替として甘酒を使うとよいでしょう。
甘酒には「酒」の文字が含まれますがアルコールは含まれないからです。
但し、酒粕には甘味がほとんどないのに対して、甘酒は舌の上ですぐに強い甘味が広がる薬膳素材です。
ですから、甘酒を代わりに使うときには、お砂糖の代わりの調味料のような位置づけにするとよいかと思います。
そして、甘味は身体の中に「湿気」を呼び込む性質がありますので、あまり大量に加えたりせず程ほどの量を使うとよいでしょう。
酒粕には板状に固めたものや写真でご紹介している「八海山」のように練り状のものなどがあります。
練り状の酒粕は料理の汁物に溶けやすいので薬膳調理には大変扱いやすいタイプです。
わたくしは柏本校サロン近隣のKEIHOKUスーパーさんで、ねり状タイプの「八海山」甘酒を購入していますが、もし同じような酒粕がご近所で見つからなければ、ネットスーパーでも買うことができます。
酒粕と生姜で内側と外側からの陰陽アプローチで循環を高める効果
酒粕はこのように身体の内側からのアプローチで身体を温めますが、ここではさらに、身体の外側、厳密に言えば表面ですが、へのアプローチで身体を温める生姜(しょうきょう)を組み合わせる方法を取り入れました。
なぜなら、身体の内側(陰)と、身体の外側(陽)の両方へ働きかけて、身体全体の循環を促す「陰陽アプローチ」で循環をさらに高めるシナジー効果を狙いたかったからです。
酒粕は体内の気(き・生体エネルギー)と血(けつ・身体を滋養する赤い液体)の循環を良くする働きがあるので、内側から代謝をアップして全身隅々までエネルギーと滋養で満たします。
しかも不溶性食物繊維も含んでいるので、不要な水毒を老廃物とともに腸管から身体の外に追い出すのに役立ちます。
こうした酒粕の内側からのアプローチに加えたのが、身体の表面を素早く回って浅い所に溜まっている湿気を辛味の発汗発散作用を持っている生姜(しょうが・しょうきょう)の外側からのアプローチ。
生姜は中薬(日本漢方では生薬といいます)としては、ショウキョウとして知られており、わたくし達の一番身近な漢方薬「葛根湯(かっこんとう)」にも配合されています。
なぜなら、感冒のカゼの引き始めに「葛根湯」をタイミングよく処方すると、病原菌が身体の内側に入り込む前に身体の表面から吹き飛ばす働きがあるからです。
また、素早く気血を身体中に循環させるので、実は中国伝統医学(中医学)の本場中国では「葛根湯」はカゼ薬というよりも、気血の流れが悪くて肩こりの症状がみられる場合に処方されている方剤(ほうざい)です。
ちなみに方剤(ほうざい)というのは、日本漢方で漢方薬と呼ばれている中薬(ちゅうやく・日本漢方では生薬と呼ばれています)の代表的な配合のことです。
葛根湯も数千年の中医学の歴史を経て後世に伝えられ、日本に渡ってきた方剤のひとつで、成分の一部分は日本漢方の配合にアレンジされているのです。
こんな風に薬膳ライフを知っているとスーパーマーケットでよく見かける食材の特性を見抜いて、中医レシピを組み立てる時の薬膳素材としてぱっと選び出すことができます。
そして、中には漢方薬にも配合されている食材などもありますから、それを自分が作りたい薬膳のゴール(目的)に合わせて、身近な食材の中から選び出して自在に組み立てられるようになるのです。
酒粕と生姜で鯖の煮付けを梅雨冷の朝に作ったワケをライブでも発信
今日のお昼は「けいてぃーのまいにち昼時薬膳ライフ」フェイスブックライブで、こうした酒粕と生姜を使って浮腫みと冷えを改善する家庭薬膳を作る中医レシピの組み立てについてお話しました。
薬膳調理例としては、先にご紹介した中医レシピの組み立て方で梅雨寒の季節薬膳「鯖の酒粕生姜煮」に仕上げました。
フェイスブックとYouTubeを同時に駆使したライブ配信にはだいぶ慣れてきましたので、けいてぃー先生の「ナチュラル薬膳生活®(薬膳ライフ)」をまいにちお昼に10分程度配信しています。
薬膳ライフから生まれる心と身体の美と健康を分かち合わせて頂きたく、ライブ配信は録画記録でいつでもご参照頂けるように致しました。
そして、薬膳フードセラピーをまだあまり知らない方に、薬膳がゴール(目的)に合わせて中医学の理論で組み立てる「中医レシピ」で組み立てた食事療法であることを知って頂くため、できれば例となるお料理があると分かりやすいので、併せてカンタンおいしい家庭薬膳も出来るだけご紹介することにしています。
このように、ご自身の薬膳のゴール(目的)に合わせて、探せば身近な薬膳素材の酒粕や生姜やサバなどを活用して大人女性の日々の暮らしにお役立て頂ければ幸いです。
2020年からはコロナ革命が起こっているので、わたくしも世界中の皆さんが薬膳ライフをいつでもどこでも学べるように、この夏からZOOMオンライン薬膳教室「中医レシピクリエイター養成講座」をスタートします。
詳しくはこれから少しずつご案内して参りますので、よかったら遊びに来てくださいね。
まとめ 梅雨寒の季節薬膳。酒粕と生姜で循環アップ&デトックス。
梅雨寒の朝に薬膳ライフコーチが愉しんだ家庭薬膳「鯖の酒粕生姜煮」を例に、中医レシピの組み立て理論をやさしく紐解く今日のお話しは如何だったでしょうか。
酒粕で身体の中から、生姜で身体の外から循環をアップする、内側の陰と外側の陽を絶妙に組み合わせた薬膳ライフの「陰陽アプローチ」による中医レシピの組み立てメソッドをご紹介させて頂きました。
梅雨時の湿気が多い時期は身体の中に不必要な水毒が溜まりやすいシーズンです。
ひとくちに梅雨の季節薬膳といっても、気温によって心と身体に起こりやすい不快な症状は微妙に異なります。
今日は朝から気温が比較的低い梅雨寒のお天気コンディションだったので、身体の内側と外側の循環を良くして水毒をデトックスしながら、冷えを改善するために「温(おん)」の温める性質を持つ酒粕を用いておいしい家庭薬膳に仕上げました。
まいにち必ず摂るお食事を大切にしながら、人生を健やかに200%味わい尽くしたい、人生の使命(ミッション)を果たしたい大人女性のみなさんの美と健康を守るお役に立てば幸いです。
営養補給系 補気類 酒粕 *体温への作用・味の性質・臓腑への働きかけ・作用* 温 甘辛 脾 補気活血 *栄養素・生理機能成分* 葉酸 カリウム グルタミン酸 アルコール |
参考文献
『ナチュラル薬膳生活入門編』 p.116
【前期】コーディネーター養成コース 公式テキスト
『ナチュラル薬膳生活応用編』 p.137
【後期】アドバイザー養成コース 公式テキスト
須崎桂子
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