こんにちは。
ナチュラル薬膳生活文化普及協会理事長、薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです♪
これまで薬剤師、看護師、料理教室の先生、エステティシャン、薬膳の専門家になりたい大人女性のみなさんに、本格的な薬膳コースをオリジナルテキストで十数年教え続けてきた実績を持っています。
今日は「ナチュラル薬膳生活®(薬膳ライフ)」の発酵薬膳で使う薬膳素材「豆鼓(とうち)」の働きを用いて消化を助け、エネルギー代謝を高める豚肉と組み合わせて疲労回復につなげる中医レシピの考え方をご紹介します。
そして、豆鼓の薬膳調理例として作った疲労回復の薬膳「豚肉ととうもろこしの豆鼓蒸し」についてもお話しいたします。
発酵系の薬膳素材の豆鼓(とうち)とは?
豆鼓(とうち)は黒大豆と麹と塩を合わせて発酵させた、粘らない納豆のような発酵系の薬膳素材です。
中薬(生薬のこと)としては(塩っ辛く加工していないものだとは思うのですが)、淡豆鼓(たんとうし)と呼ばれる熱さましのお薬なのです。
塩分を加えてしっかり発酵させた食材の豆鼓はものすごくしょっぱいですから、わたくし自身は解熱の薬膳素材としては扱っていません。
「ナチュラル薬膳生活®(薬膳ライフ)」では、豆鼓のようにしっかり発酵させた植物系の食材はもともとの組織が麹菌で分解されているため大変柔らかく、アミノ酸の旨味が生まれて大変美味しいので、消化器系統の働きを助ける薬膳素材として使います。
豆鼓はスーパーマーケットの中華食材コーナーで販売されていることが多いので、使ったことがなないけれど興味がある方はどうぞ覗いてみてくださいね。
豚肉と豆鼓で消化吸収の代謝を高めるシナジー効果
今回は体力があまりなく仕事でいつも疲れやすい家族のために疲労回復の薬膳を作るため、メインの薬膳素材には消化器の代謝を助ける豚肉を選んでいました。
さらに、その豚肉と同様に消化を助ける効果が期待できる豆鼓を組み合わせて、代謝を促進するシナジー効果を得られる家庭薬膳にしようと考えたのです。
消化吸収力をアップすると薬膳素材から食べ物のエネルギーを十分に取り出して、わたくし達の生命活動に活かせます。
ですから食べ物から頂いた気(生体エネルギー)で疲労を回復して元気に日々を過ごせるように身体をメンテナンスできるのです。
豚肉は中医営養学的に見ると身体の潤い成分の陰(いん)を補給する薬膳素材の分類なのですが、それだけでなく気(生体エネルギー)を補充する働きも併せ持っています。
現代栄養学の角度から豚肉を捉えても、肉類の中ではビタミンB1やB2が豊富で、これらのビタミンが献立で一緒に食べる三大栄養素をエネルギーに変換するのを促すので、疲労回復に役立つことが知られていますね。
ですから、豚肉と豆鼓を同時に使うとエネルギーを生んで元気になるのに役立ちますし、旨味と塩味がちょうどマッチして自然な味わいのお料理に仕上がるので疲労回復の薬膳作りに組み合わせてみたというわけです。
豚肉と豆鼓にとうもろこしも使ったワケをライブでも発信
今日はお昼にちょうど「けいてぃーのまいにち昼時薬膳ライフ」フェイスブックライブで、豆鼓と豚肉を使って疲労回復の家庭薬膳を作る中医レシピの組み立てについてお話しました。
その中で、疲労回復の薬膳のベースとして決めて豚肉と豆鼓に、さらに「とうもろこし」も加えた理由も語りました。
そして家族のために疲労回復の「豚肉ととうもろこしの豆鼓蒸し」を作ってお昼に食べたのですが、その後にもう1本、開運方位学のコンサルタントさんと薬膳と開運のフェイスブックライブ対談がありました。
そこで多めに作って少し残っていたこの疲労回復の薬膳フードセラピーを例として、ライブでご紹介しました。
薬膳のことをまだあまり知らない方に、薬膳がゴール(目的)に合わせて中医学の理論で組み立てる「中医レシピ」で組み立てたフードセラピーなのを語るのに、例となるお料理があると分かりやすいかもしれないと思ったからです。
スーパーで買える中華食材でありながら薬膳素材にもなる豆鼓のことも、薬膳素材の例としてご紹介すると分かりやすいかと考えました。
すると、今回2回目の対談相手となった開運方位コンサルタントの白崎詩織さんは、 スーパーで買える豆鼓の袋をお見せしたとたんに、「麻婆豆腐に入っているあの黒いお豆ですね。」とすぐに分かってくださいました。
ですから、豆鼓は日本では手に入れにくいわけではないし、すでに多くの日本人が中華料理の調味料の一種のような感覚で結構召し上がっているのだなと思いました。
今回わたくしが、とうもろこしもこちらの中医レシピに加えたのにはふたつの理由があります。
ひとつはいまだに梅雨の影響で湿度がとても高いので、身体の中から水毒を取り除く働きがある薬膳素材のとうもろこしを組み合わせたかったからです。
もう一つの理由は、とうもろこしの黄色い彩りが消化器の働きを促進する心理効果が研究で知られているからです。
豚肉と豆鼓だけを蒸して盛り付けても、消化吸収を助ける薬膳の効能はあるものの、彩りが地味なので視覚的にあまり食欲をそそりません。
今回はとうもろこしと、とうもろこしのひげを豆鼓と一緒に水を加えて蒸してから、とうもろこしのひげを除き、蒸し汁を煎じ液のように使って豚肉を蒸しました。
とうもろこしのひげには、利尿で体内の余計な水分を排出しながら、水分の代謝を担う泌尿器系統の機能を助ける働きがあるので、捨てずに下ごしらえの蒸し汁をとる段階まで使って、エキスを出してからとり除く方法をとりました。
そしてレタスににのせて供したのは今日が梅雨時で高温多湿だったからです。
レタスには身体の熱を冷ましながら浮腫みのもとになる水毒を、利尿やお通じで身体の外に出す働きがあるのでこうした作用を活用したのです。
まとめ 豆鼓(とうち)で愉しむ発酵薬膳。消化を助ける相乗効果。
豆鼓はまだ日本の家庭料理ではなじみの少ない薬膳素材ですが、粘りのない納豆のような旨味が素晴らしい薬膳調味料になります。
薬膳ライフではこうした発酵系の薬膳素材が消化吸収を担う臓器の働きを助ける性質を使って、代謝を高めて元気になるための疲労回復の薬膳に活用します。
今回は疲労回復の薬膳づくりにこの豆鼓を活かして豚肉を蒸し物にしあげました。
豚肉にもビタミンB1とビタミンB2でエネルギーを食材から引き出すために代謝を高める働きがあるので、豆鼓と豚肉でエネルギー補給で元気になるシナジー効果を狙いました。
とうもろこしやとうもろこしのひげには体内の水分量を適正に調節するミネラルのカリウムが含まれているので、豆鼓と一緒に蒸してエキスを取り出してから、豚肉を蒸すのに使う方法もご紹介しました。
そして梅雨どきで高温多湿のシーズンだったので、身体に余計な水毒を溜め込まないように、トウモロコシやレタスも組み合わせて家庭薬膳「豚肉ととうもろこしの豆鼓蒸し」に仕上げました。
このように、ご自身の薬膳のゴール(目的)に合わせて、探せば身近な中華食材の豆鼓なども活用して大人女性の日々の暮らしにお役立て頂ければ幸いです。
営養補給系 補陰類 豚肉 *体温への作用・味の性質・臓腑への働きかけ・作用* 平 甘鹹 脾 腎 胃 補陰潤燥 補気補血 補腎 *栄養素・生理機能成分* コラーゲン ビタミンB1 ビタミンB2 |
参考文献
『ナチュラル薬膳生活入門編』 p.121
【前期】コーディネーター養成コース 公式テキスト
『ナチュラル薬膳生活応用編』 p.139
【後期】アドバイザー養成コース 公式テキスト
須崎桂子
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