こんにちは。
ナチュラル薬膳生活文化普及協会理事長、薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです♪
これまで薬剤師、看護師、料理教室の先生、エステティシャン、薬膳の専門家になりたい大人女性のみなさんに、本格的な薬膳コースをオリジナルテキストで十数年教え続けてきた実績を持っています。
2020年1月14日の「フレンチック薬膳ライフへの道「suer(シュエ)で薬膳素材を発汗💦」に想う」にひき続き、今回もヘルシーな薬膳クッキングにフランス料理のテイストを加える「フレンチック薬膳ライフへの道」をご案内いたしますね。
わたくしが「フレンチック薬膳ライフ」という新たな食生活の愉しみを家庭薬膳で模索し始めたわけは、薬効に「もっとおいしく」をプラスしたかったからです。
昨秋からフランス料理教室の磯貝由恵先生から新発想!「和モダンフレンチ」コースを、まずワンクール教えて頂いておりまして昨日はその最終回でした。
前菜からデザートまで和素材を使いながら、レシピの組み立て方や調理法は日本で普及したいわゆる「洋食」の源ともいえるフランス料理の基本のキを学べるのが魅力のコースレッスンです。
今は全6回で学ばせて頂いた中から、薬膳ライフに「和モダンフレンチ」どう応用しようかと愉しく模索中。
昨日のデザートでは本当のクレープとは何か。どうあるべきなのかをみっちり教えて頂きました。
そこには、洋食の素材の配合・調理法・作り方で、自分が期待する味や食感をどう導き出すのか、料理家としての半端ない!こだわりがありました。
そして本場フランスのクレープ作りを学びながら、12年前に訪れたパリの旅を思い出した次第です。
2008年8月8日に開業する前月の7月、もうしばらくは遠い国の海外旅行になど行けなくなるだろうと覚悟して初めて選んだ旅先は欧州大陸のフランスでした。
パリ、モンサンミッシェルで有名なブルターニュ地方、ワインの産地で有名なボルドーとサンテミリオンに行きましたが、昨日のフランス料理教室の本場のクレープ作りを教えて頂いたときは即!パリのビオマルシェでの長~くずらりと続くテント屋台のお店のひとつでほおばった、あのそば粉のクレープの味を思い出しました。
そこで今日はそんな昨日のフランス料理教室で学んだ本格クレープ作りで思い出した、パリのビオマルシェのそば粉のクレープのお話しも絡めて、つたないわたくしの「フレンチック薬膳ライフへの道」をお届けいたします。
和モダンフレンチで目指す「フレンチック薬膳ライフ」への道
「ナチュラル薬膳生活(薬膳ライフ)」では、フードセラピーの目的さえ合っていれば、中華料理の形式にとらわれず日本人なので和食はもちろん、洋食やエスニックも取り入れて食生活を心豊かに楽したいと思っています。
自営業で薬膳の先生をしているとお料理自体の腕を磨く機会がなかなかないのが現状です。
ですから昨年の秋にフランス料理教室の磯貝先生が、和食の良さ、特に日本の発酵食品と、本格フレンチの真髄をご自身のテイストで融合して「和モダンフレンチ」コースレッスンを始めるのを伺い素晴しい機会だと思いました。
わたくしはもともと、フランス料理、というか日本人の気取らないシェフが日本の食材を交えて作って出してくれるフランス料理店でのお食事が大好きです。
こうしたお店では食事だけでなく少しずつ運ばれてくるお料理を目で楽しみ、舌で味わい、一緒に食べる人たちと交流しながら、ゆっくりお食事を愉しむesprit(エスプリ)、英語ならspiritに近いでしょうか)、魂のごちそう要素がたくさん詰まっているからです。
物理的に食物を摂って空腹を満たす以上に、食事そのものを味わい愉しむことで、日々の暮らしを心豊かに過ごすことが、ひいては免疫系を強化して「陰陽ホメオスタシスのネットワークシステム」のバランスが整い病気しにくい心と身体を育みます。
これこそが、人生を健やかに200%味わい尽くしたい大人女性がムリなく普段の生活で、健康寿命100%に少しでも近づいていく薬膳ライフ、究極の理想の暮らし方です。
わたくしがフランスに行ったのは、先にお話しした12年前の一度きりです。
フランス語も習ったことがないので、カタカナフランス語しか分かりません。
それでも、磯貝先生から学んでいる「和モダンフレンチ」、それに付随するカタカナフランス語、そして、敬愛する日本人シェフのフランス料理店のホスピタリティーを想い描きながら、【魂(エスプリ!)のごちそう薬膳ライフ】スタイルで、「カレと愉しむ♡心身ほっこりおうち薬膳」から「フレンチック薬膳ライフ」と命名して隠れ家っぽく取り入れています。
磯貝先生はわたくしの目から見て薬膳素材になる日本の農産物や発酵食品を、おしゃれに美味しく和モダンフレンチのレシピに活かして教えてくれます。
昨日も金柑に含まれる植物酸の働きを活かして、数日前から丁寧に下ごしらえした豚ロース肉を金柑と一緒に煮込んで柔らかく風味良く仕上げる知恵を伝授してくださいました。
こんな風に料理の作り方を教えてくれるだけでなく、グルメなフランスの料理哲学とともに、和モダンの発想ならばなぜこうした食材の組み合わせのレシピなのか、なぜこうした調理法なのか調理科学の視点からもしっかり教えてくださる点がとても気に行っています。
ですから磯貝先生の料理教室はわたくしのようにバリバリの料理家出身でなく、中医薬膳学の専門家で健康管理のために調理を伴う薬膳の先生をしている人にぴったりなのです。
わたくしの場合は薬膳フードセラピーの専門家なので、教えて頂いたレシピは中国伝統医学(中医学)に照らして、食養生の目的に合わせて調味料の配合や薬膳素材となる食材は臨機応変にアレンジするので、とくに薬膳調理のレシピ例としてそっくりそのまま登場することはありません。
でももちろん和モダンフレンチに登場した和素材たち、黒にんにく、酒粕、かんずり、白子、奈良漬け、米焼酎、とろろ昆布、あおさ、ほうじ茶などは、これからどんどん薬膳素材の効能に応じて、「フレンチック薬膳ライフ」に取り入れていきたいと思っています。
あなどれなかった本格クレープ作りの基本
ところでフランス料理のレッスンを重ねるうち、フランス料理にはお味や見た目はもちろん、調理法についても相当なこだわりがあるのが分かってきてはいました。
しかし、実際に手を動かしてみて先生の調理法への細かいこだわりに改めて驚いたのが本場フランスの本格クレープ作りです。
まず、理想的なクレープのもちっとした歯ごたえを得るための材料の扱い方、焼き方、お道具の使い方、仕上がりの見分け方・・・細部に至るコツを徹底的にレクチャーしてくださいました。
材料の下ごしらえから完成までの一連のプロセス全てへのこだわりは、一人ひとりに合わせてテイラーメイドの治療を施す中医診断学、見立て➡分析➡治療に似ています。
中医薬膳学なら食べる人の体質・住んでいる風土地域・その時の天候のコンディションに合わせて、状況を見立て➡食べる人の目的にふさわしい薬膳処方を分析➡分析結果に合う薬膳レシピを組み立てて食べてもらう、という流れにそっくりだからです。
そして早速クレープの焼き方をデモして頂き見よう見まねで挑戦したのですが、わたくしは見せてもらったようにフライパンを斜めに持たず、たくさん生地を入れてしまいました。
するとクレープにきれいなレース模様が出来なくて、アトランティス大陸のような大きな焼き目が付いてしまいましたし、分厚い・・・💦
磯貝先生のお話によると、「クレープは100枚は焼いて練習しなくちゃ上手くならないものです。」とのこと。
中医学の先人の知恵と同じように奥が深い、簡単そうで侮れない本場フランスの本格クレープ作り。大苦戦でしたが、大変勉強になり感謝です。
そしてお次はクレープをシックな黒いお皿に盛り付ける番です。
自分で焼いたクレープを自由に盛り付けていいですよと、和三盆仕立ての手作りあんことヨーグルト生クリームを準備してくださったので、陰陽学説風にあしらってみました。
おしゃれな和モダンフレンチのデザートが、何だか「けいてぃー流!いなか盛り」になってしまいました。
四角いおやきのように仕上げてしまって恐縮でしたが、本場フランスのクレープ生地はグルテンの弾力が程よく生かされているため、もっちりした食感で大変美味しかったです。
それからおうちで学んだことを書いたメモを復習しながらフランス旅行の写真が残っているかなと探してみたら、12年前の古いデジカメ写真の画像を収めたフォルダが出て来たので懐かしく眺めました。
もちろんパリのビオマルシェの光景もしっかり残っていました。
そこで、本場フランスで食べたクレープ屋さんのそば粉のクレープがどうなっていたのか確かめましたら、レース模様がちゃんと付いていました!
確かりんご農家のファミリーがやっていた出店で、奥さまがクレープを焼き、旦那さまが農園で採れたりんごで作ったシードルを販売していたように記憶しています。
写真を見て大きなクレープを焼く鉄製の丸い鉄板の上にぐるりとそば粉のクレープ生地を流してから、ぐるっと学校のグラウンドの土をならすお道具のミニバージョンのようなスプレッダーでのばしていたのを思い出しました。
そのときは甘いデザートではなく、卵焼きや野菜たっぷりのお食事クレープを注文して食べてみたら、中からどっさり具が出てきてボリュームがありました。でも、マーケットの歩き食べでしたので、もちもち感はあまり覚えていません。ですから昨日の本格クレープ作りはよい勉強になりました。
とにかく、ずいぶん前ですがこうしてフランス旅行の画像をきちんと残しておいてよかったです。
こんな大胆なフルーツのディスプレイをしているお店もありましたが、おしゃれの国フランスらしくカラフルですね。
こちらのようにオーガニック専門の素敵で大規模なマーケットは他であまり訪れたことがありません。
ボストンでも以前オーガニックマーケットに行きましたが、もっと小さな規模でした。今でも定期的にパリの街角で開かれているのでしょうか。そうでしたらまた、将来機会があれば訪ねてみたいと思います。
機能補助系 止血類 「よもぎ」 温めて冷え症ケアに
ところで、昨日のフランス料理教室のデザートでご紹介頂いたよもぎ(蓬)のクレープの「よもぎ」。
よもぎは薬膳素材となる身近な日本の食材なので、和モダンフレンチのレシピへの活かし方を教えてもらえて研究材料にとても嬉しかったです。
止血類の蓬(よもぎ)については以下「魂のごちそう薬膳素材♪よもぎ」動画レッスンも併せてご参照ください。
※動画を見られない環境にいらしたり、お話しで出てくる中国伝統医学(中医学)や薬膳学の専門用語の漢字や読み方を確認したいときは、文章で続きをお読み頂けます。
よもぎは機能補助系の止血類(しけつるい)に分類されている薬膳素材で、血脈から出血を止める植物です。
「ナチュラル薬膳生活における薬膳素材の分類体系」は、「体温調節系」「営養補給系」「デトックス系」「機能調節系」の4つに分かれています(『ナチュラル薬膳生活入門編』p.21)。
よもぎは薬膳素材の大きな体系のくくりの中で「機能補助系」に属します。
このようにナチュラル薬膳生活文化普及協会は、薬膳フードセラピーの暮らしを始める皆さんが薬膳素材を理解しやすいように独自の分類体系を設けて、ナチュラル薬膳生活専門家養成コースの公式テキストの「薬膳素材辞典」に収載しています。
よもぎは中薬学では艾葉(がいよう)と呼ばれ、もぐさの材料でもあります。身体を温める働きがあるので、わたくしも冷え症ケアの薬膳作りに使っている「薬食兼用(やくしょくけんよう)」の身近な食材です。
薬食兼用はナチュラル薬膳生活文化普及協会の用語で、食物でもあり中薬(生薬)でもある薬膳素材のことを意味します。
よもぎ 中医薬膳学な特徴と働き
◎体温に対する作用は、身体を温める「温性」の性質です。
◎味性は、体内の湿気を除く苦味と、循環を良くする辛味です。
◎解毒を担う肝と、消化器系統の脾と、若々しさのモトを貯えている腎に働きかけます。
◎「温経止痛(おんけいしつう)」という気の流れ道の経絡を温めて、冷えによる痛みを除く働きがあります。
◎「散寒止痛(さんかんしつう)」という身体の中に生じた冷えを取り除いて、冷えによる痛みを除く働きがあります。
◎体内に溜まった湿気を除く「除湿(じょしつ)」の作用があります。
よもぎの禁忌・注意は、
熱性の出血がある場合は症状を悪化させてしまうので、使用は向きません。
よもぎ 現代栄養学的な働き
◎ポリフェノールの一種でタンニンの渋味を含んでいます。
これが「止血(しけつ)」に働きます。
◎身体を浮腫ませる余計なナトリウムを排出するカリウムを含んでいます。
これが「除湿(じょしつ)」作用に関与するのだと思われます。
◎植物の血ともいえるクロロフィル(葉緑素)は、わたくし達の血液の赤血球(ヘモグロビン)と分子構造が似ているので浄血に役立ちます。
◎抗酸化力の強いβ-カロテンを含み、細胞が活性酸素で錆びるのを防ぐのでアンチエイジングに働きます。
蓬(よもぎ)については、薬膳講師が自ら執筆した公式テキストでもご参照頂けます。
人生を200%味わい尽くしたい大人女性の健美活に!「ナチュラル薬膳生活®(薬膳ライフ)」をどうぞお役立てください。
機能補助系 止血類 蓬(よもぎ) *体温への作用・味の性質・臓腑への働きかけ・作用* 温 苦辛 肝脾腎 温経止血 散寒止痛 除湿 *栄養素・生理機能成分* カリウム β‐カロテン クロロフィル タンニン リノール酸 オレイン酸 ビタミンB₁ ビタミンB₂ |
参考文献
『ナチュラル薬膳生活入門編』 p.103
【前期】コーディネーター養成コース 公式テキスト
『ナチュラル薬膳生活応用編』 p.155
【後期】アドバイザー養成コース 公式テキスト
須崎桂子
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