こんにちは。
ナチュラル薬膳生活文化普及協会理事長、薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです♪
これまで薬剤師、看護師、料理教室の先生、エステティシャン、薬膳の専門家になりたい大人女性のみなさんに、本格的な薬膳コースをオリジナルテキストで十数年教え続けてきた実績を持っています。
「令和」に「調和」の願いを重ねて薬膳理論レッスン
4月1日の午前中は春の新生活気分で、ナチュラル薬膳生活コーディネータ―養成コースの理論レッスン4「中医学の診断治療・営養補給系」でした。
診断治療のお話しでは、ちょうどお仕事で声をからして呼吸器の粘膜を傷めてしまった生徒さんがいらしたこともあり、やさしい中医学的な診断治療の一連の流れを理解して頂くため、粘膜をいたわるハーブ薬膳茶をご紹介しました。
マロ―ブルーは中国由来の薬膳素材ではありませんが、けいてぃーさんが指導している「ナチュラル薬膳生活」では、不調の予防・治療に役立つメディカルハーブのマロ―ブルーような薬草も、薬膳作りに活かしています。
こちらの「マロ―ブルー&ミント」のハーブ薬膳茶は、生徒さんの不調をケアするため、今回のレッスンでカバーした中医診断学の理論体系を説明するのにピッタリ。
◎不調の症状:空咳 咽喉のヒリヒリ感 気管支の炎症
↓
◎不調のタイプを分析:呼吸器の粘膜(潤い)を傷めているタイプ
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◎薬膳の治療法:咳を鎮める 粘膜をとろみハーブで潤す ヒリヒリをスースーハーブで癒す
↓
◎薬膳の例:席を鎮めヒリヒリを癒す薄荷プラス潤いを補給するマロ―ブルーの
ハーブ薬膳茶(温浸剤)で不調の症状を緩和する。
簡単に言うと、こんな感じで理論的に薬膳フードセラピーを組み立てて供します。
もちろん、生徒さんは一口召し上がって、「あ~。美味しい。」とおっしゃっていました。
そして、ちょうど来月からの「新元号」発表の日時と重なったので、お昼過ぎに生徒さんと一緒にそわそわ。
やはり「新元号」がどうなったのか速報が気になります。
そこでお昼休憩に生徒さんのスマートフォンでチェックして見せて頂きました。
「令和(れいわ)!」
ぱっと拝見した瞬間、けいてぃーさんの脳裏をよぎったのは「引体令柔十三式」気功体操でした。
しかしすぐに生徒さんが、「万葉集からの引用」なのだと教えてくれました。
けいてぃーさんも生徒さん達も、新元号「令和」を知ってすぐに大きく心が動くことはなく、「へー。そうなんだー。」と受け止めは冷静でした。
でも時間が経ってから、新元号発表を生徒さん達とともに同時に知ることになった感動が、後からじわじわ湧き上がってくるだろうと思いました。
そこで、ホワイトボードに令和元年(1ヶ月で気が早いですが)と記念に記してレッスンを終えました。
引用元の和歌の一節「于時初春令月 氣淑風和」 (出典:ウイキペディア)は美しい表現ですね。
確かに万葉集は国書ですし、メディアも初めての国書引用と大きく報道していますが、やはり遣唐使を派遣していた時代だからでしょう。
文字、文化、宗教、薬学、建築・・・様々な先進情報や技術を唐代の中国から得ていた時代ですから、「やはり中国語で書かれている!」と思いました。
それに新元号は、「令」と「和」の文字をこの一節から持ってきて組み合わせた新しい表現なので、原文に「令和」という言葉が存在しているわけではないのですね。
最初に「令和」の文字を見て、「引体令柔十三式」が頭に浮かんだのは、中国語の「令」が「させる」という助動詞として使われることがあるからです。
「引体令柔」は「身体をストレッチして柔らかくさせる」ことなので、「令和」が「調和させる」という意味を含んでいるのかなと思ったのです。
でもこの和歌の原文では、「令」は「令月」と月の美しいさまを形容するために使われています。
原文はともかく「和」の文字については、けいてぃーさんが「ナチュラル薬膳生活」で目指している、人体(小宇宙)と人体を取り巻く世界(大宇宙)が、理想的に「調和」した状態を彷彿とさせます。
安倍首相が、「一人ひとりの日本人が」と「個」の大切さにも触れながら、「人々が美しく心寄せ合う中で、文化が生まれ育つ日本」と「全体」の調和を望むような談話を述べていたのが印象的でした。
そして、けいてぃーさんが大好きな槇原敬之さんが作詞作曲の「世界に一つだけの花」(人気のSMAPのヒット曲。でも、けいてぃーさんの中では槇原敬之さんの曲。歌詞が素晴らしくて!)を例に挙げて首相が個性を語っていたのに好感が持てました。
「薬膳講師けいてぃーさんが大切にしていること?生徒さんの個性」と同じだからです。
だからこうして「令和」の由来を知るにつれ、5月1日から始まる新たな時代に「令和」を使うのがだんだん楽しみになってきました♪
薬膳のルーツもやってきた万葉の時代
ところで、新元号の由来となった万葉集の歌われた天平時代は、けいてぃーさんの薬膳のお仕事に歴史的な関りが深いです。
遣唐使船については万葉集にも歌われており、唐代の中国に留学した万葉の時代の日本の僧侶たちは命がけで海を渡りました。
そして、仏教だけでなく薬膳理論の源流である中国伝統医学(中医学)の書物や薬草についての知識も持ち帰ってきました。
中国の高僧の鑑真が日本の僧侶たちの熱心な要望で、仏教の戒律を日本に伝えるため、度重なる渡航失敗の末に6回目の挑戦で8世紀半ばに日本に渡ってきた話はあまりにも有名です。
日本にやっと辿り着いたときには遭難事故で光を失った鑑真でした。
しかし、鑑真は当時乱れていた日本に精力的に仏教の戒律を正しく伝え、その後の日本仏教の発展の礎を作りました。
当時の僧侶は人々を癒すための医学や薬学にも詳しい人が多く、鑑真も仏教だけでなく薬物の知識を日本にもたらし、その後の日本の医学の発展にも貢献しました。
その後も時代を超えて、留学した僧侶が中国から日本に運んだ医学や薬学の知識が、日本古来の医学や民間療法を結びついて独自の発達を遂げ現在の日本漢方となっています。
中国伝統医学と日本漢方は国交が限られていた江戸時代には、それぞれ別に発展をしたので、似通っていますが、全く同じではありません。
でも、中医学と日本漢方の両方に使われている薬草もあり、そのうち作用の穏やかな薬草と重複する山芋(山薬)のような食材は食事療法にも使われてきたことでしょう。
けいてぃーさんは現代に生まれたので遣唐使のように渡航の苦労をせず、中医師の先生から中医学や薬膳を学ぶことが出来ました。
そして、現在は「ナチュラル薬膳生活」という形で、薬膳フードセラピーの社会普及に努めています。
こうして現代の日本社会にあっても、中国の先生を介して中国の先人の智慧を伝えてもらって仕事をしていることに、何か東洋の歴史的なロマンを感じてしまいます。
中医学で学んだのは、「調和」しているのが本来あるべき健康な状態、そして、その理想的な「調和」が崩れた状態が「病理変化」だということ。
その「病理変化」を軽いうちに食事で予防・治療するのが薬膳フードセラピー(食事療法)です。
ここは日本だから日本家庭に合う形で安心な食材を使っていますが、中医薬膳学の先人の教えにそって毎日家庭薬膳を作り家族と健やかに暮らすのはとても楽しいこと。
新元号はとうとう中国由来ではなく、「日本の国書万葉集由来になった!」と喜ぶのはもちろん嬉しいことです。
でもやっぱり、綿々と伝えられてきた(中国に限らず)先人の智慧のおかげで、現代文明や日本文化が花開いて、現在に続いて今があることに感謝の気持を忘れないようにしたいと思います。
須崎桂子
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