こんにちは。
ナチュラル薬膳生活文化普及協会理事長、薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです♪
これまで薬剤師、看護師、料理教室の先生、エステティシャン、薬膳の専門家になりたい大人女性のみなさんに、本格的な薬膳コースをオリジナルテキストで十数年教え続けてきた実績を持っています。
昨日のブログ「コロナを予防する食事って?免疫細胞がヨロコブ「柚子りんご」。免疫力を上げる手軽な薬膳スイーツを。」では免疫力を上げる薬膳スイーツとして「柚子りんご」をご紹介したところ、知ってる!という方と、まだやったことがないという方など、いろいろと反響をいただきました。
コロナを予防する食事って?免疫細胞がヨロコブ「柚子りんご」。免疫力を上げる手軽な薬膳スイーツを。
実は「柚子りんご」は、お肌を美しくするので美容にもとてもよい薬膳スイーツです。
だから、いつまでも若々しくキレイでいたい女性達にもぜひおススメしたい美肌作りの一品。
でも昨日は「柚子りんご」の美肌効果の秘密について詳しくお話しするには、かなり長くなってしまったので、美容については少ししか書けませんでした。
ですので、今日は「柚子りんご」が、第2の人生をキラキラ輝いて活躍し続けたい女性たちの美肌作りにも役立つことについて、いつものように 薬膳 × 現代栄養学 × メディカルハーブの掛け合わせでご紹介したいと思います。
もともと、寒さと乾燥が厳しくなる真冬は、肌荒れしやすく、カゼやインフルエンザが流行るシーズン。
今年はさらに、新型コロナ感染拡大の第3波が追い打ちをかけてきています。
お肌も体も心も、肉体的に、精神的に、ストレスがいっぱいの年明けとなりましたが、かんたんおいしい薬膳スイーツ「柚子りんご」でキレイと健康を守っていただけたら幸いです。
美肌も免疫も。一品でいろんな効果。薬膳の「異病同治(いびょうどうち)」とは?
昨日は免疫力を上げる薬膳スイーツ「柚子りんご」が、美容にもよいことについてはさらっと触れただけでした。
「柚子りんご」の美容効果をもっと詳しくいうと、同じ一品が美肌作りにも役立つということです。
中国伝統医学(中医学)の考え方から生まれた薬膳には、「ひとつのレシピでいろいろな病気を治すのに使える場合がある。」という特徴があります。
これを「異病同治(いびょうどうち)」といいます。
柚子りんごには、異病同治で「美肌作り」にも「免疫力を上げる」のにも役立つ効果が期待できるのです。
薬膳は中国生まれなので漢字だらけの4文字熟語が多いし、異病同治には「病(やまい)」の文字が含まれているから、ぎょっとするかもしれません!?
でもご心配なく。
今回ここで取りあげる「病」は病気というより、お肌の不調と新型コロナ感染リスクのこと。
病気を治すというより、お肌の不調を改善したり、新型コロナのような感染症を予防したりする方法がテーマです。
ですから、「柚子りんご」は、この一品で「お肌をボロボロにしない。」そして「新型コロナのような感染症にかからない。」ように、複数の違う目的に役立つ食べる処方箋ともいえるでしょう。
中医学が日本にやってきてうまれた漢方薬にも、異病同治は見られます。
分かりやすい例でいうと、有名なのはわたくしたちにおなじみの葛根湯。
「カゼの引きはじめ」に初期対応で治す働きだけでなく、「肩こり」の改善にも使われる処方です。
葛根湯には麻黄(まおう・エフェドラ)という刺激の強い薬草が入っているので、長期の服用には向きませんが、カゼと肩こり、ふたつの不調に使えるおトクな漢方薬なのです。
一方、薬膳には作用が強い植物は入れずに、身近なスーパーの食材で見つかる植物などを使って作るので、旬に不調を予防するためにある程度の期間、続けて食べても大丈夫。
ではなぜ、柚子りんごが冬に免疫力を上げるだけでなく、美肌にも役立つでしょうか。
寒さと乾燥の冬にお肌も守る「柚子りんご」
昨日のブログでは、免疫力を上げる薬膳には3つの基本として、「気を補充する」、「陰陽バランスを整える」、「体内の循環をよくして臓腑を活性する」をご紹介しました。
実はこの「免疫力を上げる薬膳3つの基本」には、肌に不足している潤いを補給する陰陽バランスや、体の中の循環をよくして温めたり肌色をよくするなど、美肌作りに役立つ点がたくさん含まれています。
だから、寒さと乾燥の冬にお肌も守る美肌作りの薬膳にも応用が利くのです。
免疫力を上げる薬膳3つの基本のうち、特に美肌作りに役立つ具体的な方法に重点をおいて置きかえると、美肌作りの薬膳3つの基本はこのようになります。
美肌作りの薬膳3つの基本
1.「肺の働きを高めながら潤して間接的に肌も潤す。」
肌につながりが深い肺を強化して潤いを補給すると肌が引き締まり保湿する。
2.「解毒の大腸から老廃物を出す。」
肌につながりが深い大腸から老廃物を除く肌が美しくなる。
3.「体内の循環をよくして臓腑を活性する。」
気血や体液の流れがよくなると臓腑が活性して顔色や肌色がよくなる。
薬膳スイーツ「柚子りんご」は、これら美肌作りの3つの基本をかなりおさえています。
しかも、中医薬膳学的にみると、柚子もりんごもどちらも感染症を防ぐ要の呼吸器の肺をいたわる薬膳食材。
中医学の考えで、呼吸器の肺は皮膚ととてもつながりが深いので、肺をいたわることは間接的に美肌にとてもよく、お肌がヨロコビます。
冬の厳しい寒さと乾燥は、カゼの菌やウイルスを繁殖させやすく、まるで干ばつで干からびた大地のように肌をカサカサにしてしまいます。
体の外と直接鼻でつながっている肺や、体の表面のお肌がパリパリに乾燥してしまうと、しっかり閉じておけなくなるので、すき間だらけのところから外敵が侵入しやすくなります。
だから呼吸器や肺を潤して、時には出血してしまうほどの乾燥肌といった肌トラブルを予防すると、それは間接的に感染症の予防にも役立つのです。
では、美肌作りの薬膳3つの基本にそって、柚子りんごがどんな風に美肌に働くのか、そのメカニズムをご紹介します。
「肺の働きを高めながら潤して間接的に肌も潤す。」
柚子りんごを煮るときに甜菜糖や蜂蜜などの甘味を加えると、気(生体エネルギー)を補給して、肺など臓腑の働きを強化します。
肺がしっかり働いていると、中医学でつながりが深いとされる皮膚の表面が閉まるので肌の緩みを間接的に引き締めます。
柚子やリンゴに含まれている豊富な食物繊維のペクチンが、とろみで肺や肺に肌につながりが深い皮膚を潤すので、肌の保湿に役立ちます。
ここで柚子の扱いで注意すべき点は柚子は果汁だけでなく、柚子の果皮、内側の皮、中綿をすべて調理に使うことです。これらには、ビタミンCやペクチンが豊富に含まれているからです。
「解毒の大腸から老廃物を出す。」
中医学で肌につながりが深いとされる大腸から老廃物を除くと、肌が美しくなります。
柚子やりんごに含まれる水溶性の食物繊維のペクチンは、腸管から余計な老廃物を一緒に外に出してくれるので豊富デトックスにもよいのです。
よく便秘のときに顔に吹き出物が出やすいといわれますが、それは肺と大腸のつながりが深いからです。
美腸は美肌。まるで中医学の陰陽バランスの考え方のように、体の中の腸のインナービューティーは、体の外の腸のインナービューティーに現れるのです。
そして、柚子りんごを煮るときに甜菜糖を使うと、甜菜糖に含まれるオリゴ糖が腸内の善玉菌のエサになるので腸内環境が整い、間接的に美肌に役立つことになります。
「体内の循環をよくして臓腑を活性する。」
中医学では柑橘類のような強い芳香性の薬膳食材は、体のなかの気や血や体液の流れをよくして、臓腑が活性化するといわれ、ここでは柚子の香りがこうした働きをにないます。
臓腑の働きが活性して循環が向上すると体が温まり、顔色や肌色がよくなるのです。
ただし、柚子やりんごは冷たいまま単体で生で食べても体はさほど温まりません。
薬膳素材の分類でみても柚子やりんごに温める性質はありません。
冷え性などで、温めながら循環をうながしたいときは、柚子りんごのように加熱調理して温かくして食べるとよいでしょう。
美肌の3つの鍵は「潤い補給」「デトックス」「再生」
このように、美肌作りの薬膳3つの基本に照らして、柚子りんごの効果を見てきました。
ここでさらに中医学や薬膳に囚われずにまた別の視点で、現代栄養学×メディカルハーブの考え方も取り入れて美肌を捉えると、「潤い補給」「デトックス」「再生」の3つの鍵が見えてきます。
潤い補給やデトックスは、美肌作りの3つの基本と同じです。
ここでさらに見落とせないのは、肌の細胞の「再生」。
月のサイクルと同じようにおよそ28日の周期でターンオーバーを繰り返して、皮膚を再生します。
その肌の再生に欠かせないのがビタミンCです。
中医学の先人たちはむかしビタミンCについては知られていなかったので、古文書には書かれていません。
ナチュラル薬膳生活では、現代栄養学や植物に含まれる機能性成分に対するメディカルハーブの知見も交えて日々の食事療法に生かします。
ですから、柚子りんごを作るときは、ビタミンCを多く含んでいる柚子の果皮を必ず入れましょう。
りんごにはほとんどビタミンCが含まれていないので、肌の「再生」に関しては柚子を有効利用するのが大切。
しかも柚子のビタミンCは果汁より、果皮に多く含まれます。
ビタミンCは加熱調理に弱いので、ビタミンCの補給に重点をおきたいときは、果皮をむいて千切りにする針柚子にして食べるときにあしらうのがおススメです。
まとめ 美肌作りにも免疫力を上げるのにもお役立ち?免疫細胞がヨロコブ薬膳スイーツ「柚子りんご」。
今回は昨日、免疫力を上げる薬膳スイーツとしてご紹介した「柚子りんご」が、中医学の異病同治の考え方で、なぜ美肌作りにも役立つのか、そのメカニズムをご紹介しました。
そして、柚子とりんごを組み合わせることで、肌につながりの深い呼吸器にはたらきかけたり、皮膚につながりが深い大腸を間接的にきれいにしたりして、美肌を作る中医学の間接的な方法についてみてきました。
中医学の考え方だけで美肌を目指すと、情報が偏ってしまうので、現代栄養学やメディカルハーブの見地から、柚子の特に皮に豊富なビタミンCが肌や皮膚の再生に役立つので、果皮を有効利用することについても紹介しました。
こんなふうに普段の暮らしで目にしている柚子やりんごのような食材で、ぱっと薬膳フードセラピーを叶えるスキルが、ナチュラル薬膳生活の極意です。
こちらは年末のマンツーマンZOOM薬膳体験レッスンのときの、薬膳食材についてのお話しの部分の抜粋ですので、よかったらご参照ください。
デトックス系 理気類 柚子 *体温への作用・味の性質・臓腑への働きかけ・作用* 涼 酸甘 肝 脾 肺 理気消食 化痰 解酒毒 *栄養素・生理機能成分* フラボノイド テルペン ヘスペリジン(果皮) ビタミンC カリウム β-カロテン カルシウム
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参考文献
『ナチュラル薬膳生活入門編』
【前期】コーディネーター養成コース 公式テキスト
『ナチュラル薬膳生活応用編』
【後期】アドバイザー養成コース 公式テキスト
須崎桂子
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