こんにちは。
ナチュラル薬膳生活文化普及協会理事長、薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです♪
これまで薬剤師、看護師、料理教室の先生、エステティシャン、薬膳の専門家になりたい大人女性のみなさんに、本格的な薬膳コースをオリジナルテキストで十数年教え続けてきた実績を持っています。
今日も「ナチュラル薬膳生活®(薬膳ライフ)」の薬膳調理に含まれる「フレッシュ煎じ液」の考え方を用いて浮腫みを改善するワケ、そして、梅雨の季節薬膳にも使える「とうもろこしのひげ」のお話しとともにお贈りいたします。
浮腫み改善にとうもろこしのひげでもフレッシュ煎じ液をとるワケ
浮腫みを食事で改善するのにとうもろこしのひげも使うワケは、昨日ご紹介したグリーンピースと同じく、薬膳の先人の知恵の経験則で身体から「湿」と呼ばれる水毒を利尿で取り除く働きがあるからです。
だから、とうもろこしのひげは捨てないで。
れっきとした中薬(生薬)で、玉米鬚(ぎょくべいしゅ)という名前で知られています。
玉米鬚(ぎょくべいしゅ)の英語は何とCorn Silk、とうもろこしに絡みついた絹糸のような美しいネーミング。
少量の水でとうもろこしと一緒に加熱調理すると、皮の内側の白っぽいとうもろこしのひげは、さっと鮮やかな緑色に変わります。
皮からとうもろこしのさやの頭の方にくっついている褐色のとうもろこしのひげは、中国や韓国の伝統医学の薬局や市場では、まとめられてよく乾燥したものを玉米鬚(ぎょくべいしゅ)という中薬として売っています。
韓国伝統茶でよく見かける麦茶パッケージタイプのコーン茶には、食品成分表を注意して読むととうもろこしのひげが一緒に配合されているものもあります。
このように、「ナチュラル薬膳生活®(薬膳ライフ)」では、薬膳の源である中国伝統医学(中医学)の手法を使ってさまざまな煎じ液をとりますが、乾燥した生薬(中薬)だけでなく、とうもろこしのひげのようなスーパーで買えるお野菜の思いがけない部分を薬膳素材としてを使うこともあるのです。
こうした生の野菜や果物から取り出したエキスを薬膳ライフの中医レシピ組み立てでは、「フレッシュ煎じ液」と言います。
今日も朝から梅雨の真っただ中で湿度が74%と非常に高く、わたくしは頭に水毒がたまったような重い感じがしていました。
中医学では大宇宙のような大自然の大気が湿っぽいと、その一部である小宇宙のような人間の身体も影響をうけるので、湿気を吸い込んで身体の中がじゃぶじゃぶした感じになりやすいと考えられています。
身体の中に滞った水毒は湿(しつ)とも言われており、頭にでさえ湿が「溜まる」と中医学では考えるのです。
湿には大変やっかいな性質があって、一旦身体の中に溜まるとなかなか外に出て行きにくいという性質があります。
ですから、身体の奥深くに入り込んでしまった水毒は少しずつ利尿やお通じの働きを持つ薬膳素材をこまめに摂りながらデトックスです。
とうもろこしのひげには、利尿で体内の余計な水分を排出しながら、水分の代謝を担う泌尿器系統の機能を助ける働きがあります。
食感はぼそぼそしてあまりおいしくないので、わたくしは蒸し汁に出たとうもろこしのひげのエキスを頂くことにしています。
こうして蒸し汁のかたちで取り出した「フレッシュ煎じ液」はご飯を炊くときの水に混ぜて使い、炊きあがりにとうもろこしの粒をはじいて蒸らすときに加えてもおいしくて浮腫みの改善に役立つ薬膳ご飯になります。
とうもろこしのひげについては、動画レッスンでもお話しをしていますので、よかったらご参照ください。
メディカルハーブや現代栄養学の見地から捉えると、とうもろこし自体には、体内の水分量を調節する働きのあるカリウムが100gあたり290mg含まれていることが分かっています。
先人は経験則からとうもろこしやとうもろこしの鬚の部分には身体の中から余計な水毒を取り除く働きがあることを知っていたので、玉米鬚(ぎょくべいしゅ)というお薬として使ってきたのですね。
日本漢方でいわゆる生薬と言われるものの中には、現代になってその効能の理由が科学的に立証されているケースは少なくありません。
梅雨の季節薬膳「とうもろこしとキャベツのシンプル蒸し」
こうしたとうもろこしやとうもろこしのひげ働きを活用して、今日は玉米鬚(ぎょくべいしゅ)のフレッシュ煎じ液をキャベツに吸わせるかたちで、梅雨の季節薬膳にとうもろこしとキャベツのシンプル蒸しを昼食の一品に加えました。
あまりにシンプルで簡単すぎる薬膳フードセラピーですが、きちんと中医レシピの理論を踏まえて組み立てています。
しかも包丁も調味料も要らないいたってやさしい男メシ系薬膳ともいえるでしょう。
とうもろこしは皮をむいてひげをむしったら捨てないでとっておきます。
小さめの直径20cmくらいのフライパンに100ml程度の水を入れ、とうもろこしを半分に手で折って入れました。
そして、キャベツの葉を2~3枚ちぎって、とうもろこしのひげと一緒にフライパンに入れて蓋をかけ、中火で10分蒸煮するだけ。
出来上がったら、お写真を撮るのにとうもろこしのひげを載せましたが実際にはわたくしは食べません。
後から味付けしようかと思ったのですが、キャベツを一口食べたら自然の甘味がお口いっぱいに広がったので、塩も何も使わずにぺろりと平らげてしまいました。
追記:翌朝はお通じがよかったことと、デトックスで体重が落ちたことが、嬉しかったです。
とうもろこしにキャベツを組み合わせた理由は、おいしいことはもちろん、「化湿」という浮腫みを取り除く働きがあるからです。
また、脾(ひ)と呼ばれる水分代謝に関わる臓器の働きを高めるので、浮腫みの改善に選びました。
まとめ 梅雨の食養生にとうもろこしのフレッシュ煎じ液も
とうもろこしはスーパーマーケットでおなじみの食材ですが、ふつうは捨てられてしまうひげの部分も、薬膳ライフでいう梅雨時の食養生のための「フレッシュ煎じ液」の優れた薬膳素材になります。
中薬では玉米鬚(ぎょくべいしゅ)といわれる、ひげの部分は是非捨てないで、トウモロコシと一緒に加熱調理をして、しみ出したフレッシュ煎じ液を活用すると浮腫みの改善に役立ちます。
中医学の先人の知見では、梅雨どきは湿度が高いのでわたくしたちの身体に余計な水毒が溜まりやすい季節と考えられています。
とうもろこしやとうもろこしのひげには体内の水分量を適正に調節するミネラルのカリウムが含まれているので、水毒を利尿で身体の外に出すのに役立ちます。
そこで今回は薬膳ライフコーチ自身が普段の家庭薬膳で活用している超簡単なトウモロコシとキャベツのフレッシュ煎じ液で、浮腫みを予防改善するシンプル薬膳蒸しをご紹介しました。
ぜひ、ご自身の薬膳のゴール(目的)に合わせて、こうした身近なとうもろこしなども活用して日々の暮らしにお役立て頂ければ幸いです。
デトックス系 去湿類 とうもろこしのひげ *体温への作用・味の性質・臓腑への働きかけ・作用* 平 甘 肝 心 腎 胃 小腸 膀胱 利水消腫 退黄 利胆 通乳 *栄養素・生理機能成分* カリウム ゼアキサンチン 食物繊維 |
参考文献
『ナチュラル薬膳生活入門編』 p.161
【前期】コーディネーター養成コース 公式テキスト
『ナチュラル薬膳生活応用編』 p.148
【後期】アドバイザー養成コース 公式テキスト
須崎桂子
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