こんにちは。
ナチュラル薬膳生活文化普及協会理事長、薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです♪
これまで薬剤師、看護師、料理教室の先生、エステティシャン、薬膳の専門家になりたい大人女性のみなさんに、本格的な薬膳コースをオリジナルテキストで十数年教え続けてきた実績を持っています。
今日も「梅雨冷え」のお天気。しかし、週末からは梅雨の晴れ間の猛暑が戻ってくると天気予報では報じられています。
このところ、ものすごい湿気をともなったまま、気温が10℃ちかい振れ幅で上がったり下がったりしますね。
ですから、毎朝の天気予報でその日の気温がどうなるのかを見極めてから、どの薬膳素材で中医レシピを組み立てて体調管理をしようかと考える今日この頃です。
わたくしは冷え症体質なので朝から梅雨冷えの天候だと、身体に身体に堪えます。
昨日は梅雨の部分冷えの読者さまへ生姜(ショウキョウ)と姜黄(キョウオウ・ターメリック)を組み合わせる薬膳フードセラピーのお話しでしたが、今日も同じく梅雨冷えをテーマに、いつもの朝のチーズオムレツに桜えびとジンジャーパウダーを加えて冷え症を改善したお話しです。
今日も梅雨冷え。薬膳ライフコーチの冷え症改善ブレックファストひと工夫
典型的な梅雨冷えで雨がざあざあ降っている日は、本当は「湿気」と「冷え」の両方に対してアプローチする薬膳素材を使うのが基本です。
身体の中の水分の代謝が落ちると水毒が溜まって、冷えがますますひどくなって浮腫みやすくなるからです。
しかしわたくしの場合、モーニングブレックファストに限っては、どうしても身体を潤す卵を食べたい派。
潤いを細胞に補給することと、水毒をデトックスして取り除くことは、相反することがありますから注意が必要です。
それでも、自分の身体が大人女性の失われゆく体液を食べ物で本能的にチャージしたいのでしょう。
中国伝統医学(中医学)では、女性ホルモンも含めて細胞という細胞を潤いで満たしている体液のことを、陰または陰液といいます。
卵は陰を補給する「補陰類(ほいんるい)」という薬膳素材の分類だからか、朝のエネルギーチャージとともに、陰液チャージに卵を頂くと、わたくしの場合なのですが、更年期障害で起こりやすい心悸などが改善するのです。
もちろん、人によって同じ薬膳素材でも効果は異なりますしアレルギーがあれば使えませんから、中医診断学に基づいて体質や体調を見極めて薬膳作りに活かすことが前提になります。
そこで、今朝のブレックファストはいつものように浮腫みの改善については、飲み物を温かい豆乳ドリンクで対応することにしました。
豆乳は身体の中に溜まった水毒を取り除きつつ、必要な潤いは補給してくれるだけでなく、女性ホルモン様作用を持つポリフェノールのイソフラボンを含んでいます。
ですから、豆乳は女性ホルモンの現象で更年期症状に悩む大人女性や、浮腫み体質の人や、逆に身体の潤いが不足しいるためドライ肌がカサカサしている人にも向いています。
身体の中から温めるドライジンジャー(乾姜・カンキョウ・ジンジャーパウダー)
そして、前日にどうしても食べたくなってお魚屋さんで買っておいた桜えびと、ドライジンジャー(生姜を乾燥粉末状にしたジンジャーパウダー)を卵料理に加えてひと工夫することにしたのです。
中医学の流れを汲む薬膳の中医営養学(営養は中国語。)では、海老には身体を温める働きがあるとされていて。ジンジャーパウダーにはさらに強く身体を温める作用があるとされているからです。
このところ愛用しているジンジャーパウダーについては、たびたび薬膳素材として生の生姜との違いをご説明していますが、生姜が身体の表面を素早く巡ってさっと温めるのに対して、ドライにした生姜は身体を内側からじっくり身体を温めます。
体質や体調や天気のコンディションに合わせて、生姜やジンジャーパウダーをどちらか一方を使う、または両方ミックスして使う、生の生姜を敢えて加熱調理してみる、ご自身で身体の温め方の違いやその効果を臨床で研究しながら中医レシピを考案してみると面白いことでしょう。
身体を温めるとされる海老。一物全体の桜えびも加えて
冷えを緩和するという薬膳フードセラピーのゴール(目的に)対しては、加熱する調理法で作るのが大切なポイントになります。
なぜなら、温める薬膳素材でも冷たく冷やす調理法で供すると元来の性質が弱くなったり、変わってしまったりすることがあるからです。
目的(ゴール)と異なる加工をされてしまった薬膳素材は、例えば、浮腫みを取り除く作用などがあったとしても、そのはたらきがなくなってしまうことさえあるからです。
今回手に入れた桜えびは台湾産のボイル解凍品。それでも十分にフレッシュで「生食用」と表示されていました。
もし、今日が高温多湿の蒸し暑い日であったなら、わたくしは冷ややっこに桜えびをたっぷりのせて、おろし生姜とわけぎを散らして頂いたかもしれません。しかし今日は梅雨寒の一日。
そこで、先程ご紹介したように卵液にジンジャーパウダーを加えて、桜えびを温かく調理する中医レシピを組み立てるかたちで、梅雨冷えの薬膳フードセラピーのオムレツに仕上げました。
さらに、みずみずしいルッコラも食べたかったので、同じく生野菜の冷やす働きを緩和するため桜えびと一緒にオムレツに巻き込んでしまいました。
体裁はともかく、お腹をじんわり温める家庭薬膳のモーニングオムレツの一品に朝から満足。
薬膳ライフの中医レシピはこのように、薬膳素材を性質によって選び分けることはもちろん、調理法にも気をつかって日々の食養生を行います。
とはいうものの・・・家族の希望でオムレツの付け合せには今日も身体の熱を冷ますレタスやトマトをあしらってしまいましたので、昨日のブログと同じく梅雨冷えで気温がとても低い日や、身体の冷えが極端にひどい場合は、身体を温める温野菜に変えるなどご自身に合わせて中医レシピをアレンジしてみてくださいね。
余談ですが、薬膳素材の分類の情報源で明の時代に李時珍さんによって著された『本草綱目』に海老がどのように収載されているのか、リサーチしなおしてみました。
海老といっても様々な種類がありますし、今回は台湾で獲れた桜えびを使っています。
そう言えば海老はもしかしたら李時珍さんでなく、後世の医家か最近の栄養学の先生が追補したのかもしれないと思ったからです。
するとやはり海老がありましたが、明の李時珍さんが『本草綱目』を編纂していたときに目にした海老は、淡水にすむ海老のほうが主流だったように見受けられます。
海の海老は付け加えるように収載されていて、その働きは温めもしない冷ましもしない「平性(へいせい)」となっていました。
ですから、本当に海老で温めたい場合は今回のドライジンジャーのように温熱性のスパイス系薬膳素材を足して温かい調理方法で頂くのがよいですね。
さらに、文部科学省『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』によれば、桜えびは一物全体のホリスティックな海産物だからでしょう。カルシウムの含有量が他の海老よりも多く廃棄率は0%。
つまり捨てるところがなく全部丸ごとカルシウムを頂けるので、骨粗鬆症を予防する家庭薬膳づくりにもいいですね。
例えば100gあたりで比べると、スーパーのお魚売り場でよく見かけるブラックタイガー海老は67mgですが、桜えびは690mgと10倍もカルシウムを摂れるのです。
現代日本の家庭薬膳づくりでは、こうした栄養学の知見も活かして薬膳フードセラピーを愉しむのがおススメです。
まとめ ドライジンジャーと海老で。冷え症さんの梅雨冷え季節薬膳。
薬膳ライフではこのように、食べる人や日々変わりゆく天候など、そのときの状況に応じて薬膳素材や調理法を賢く使い分けて中医レシピを組み立て家庭薬膳を作ります。
今回も梅雨冷えの日の冷え症さんの薬膳フードセラピーに際して、身体を温める薬膳素材を加えるひと工夫で、中医レシピを組み立てた薬膳ライフコーチの朝ごはんのお話しでした。
身体を内側からじんわり温めるドライジンジャーと海老を使って、いつもの朝の卵料理を頂くことにしましたが、卵自体は身体を潤す薬膳素材なので、水毒を除くのとは逆にはたらきます。
梅雨時の湿気で既に浮腫みがひどい場合は、浮腫みを除く白身魚や、水分代謝に関わる内臓の働きをよくする鶏肉の脂身の少ない部分などに変えて薬膳フードセラピーをするのがおススメです。
こうした薬膳ライフの知恵が、人生を200%味わい尽くしたい未来志向の大人女性のみなさんのお役に立てば幸いです。
体温調節系 温裏類 ※乾姜(カンキョウ) ※ここではジンジャーパウダーを使いました。 *体温への作用・味の性質・臓腑への働きかけ・作用* 大熱 大辛 心脾肺胃 温中散寒 除痺 回陽通脈 温肺化痰 温経止血 *栄養素・生理機能成分* ショウガオール |
乾姜 参考文献は、薬膳講師の須崎桂子(すざきけいこ)著
『ナチュラル薬膳生活入門編』 p.87
【前期】コーディネーター養成コース 公式テキスト
『ナチュラル薬膳生活応用編』 p.129
【後期】アドバイザー養成コース 公式テキスト
営養補給系 補陽類 海老 *体温への作用・味の性質・臓腑への働きかけ・作用* 温 甘 肝脾肺腎 補腎補陽 温陽開胃 通乳 托毒 *栄養素・生理機能成分* たんぱく質 脂質 亜鉛 銅 ビタミンE ペタイン アスタキサンチン コラーゲン |
海老 参考文献は、薬膳講師の須崎桂子(すざきけいこ)著
『ナチュラル薬膳生活入門編』 p.127
【前期】コーディネーター養成コース 公式テキスト
『ナチュラル薬膳生活応用編』 p.143
【後期】アドバイザー養成コース 公式テキスト
須崎桂子
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