こんにちは。
ナチュラル薬膳生活文化普及協会理事長、薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです♪
これまで薬剤師、看護師、料理教室の先生、エステティシャン、薬膳の専門家になりたい大人女性のみなさんに、本格的な薬膳コースをオリジナルテキストで十数年教え続けてきた実績を持っています。
今日は「残暑」&「コロナ禍」が厳しいこの時期に便秘を解消する薬膳フードセラピーの話題。
薬膳フードセラピーというのは、中国伝統医学(中医学)に基づく食事療法のことです。
便秘といってもさまざまなタイプがあるので、薬膳でどう対応するかはタイプによって異なります。
ここでは、食べ物を消化したり、お通じを促すカギとなる内臓の気(生体エネルギー)の流れに問題があるタイプを例に挙げて、薬膳フードセラピーの考え方をご紹介したいと思います。
自然の摂理。お通じに関わる臓腑の気が向かう先。
お通じを促すカギとなる臓器には、消化を担う胃や排泄を担う大腸などがあります。
中医学ではそれぞれの臓器には、気(生体エネルギー)があって、向かうべきところ、つまり行き先が決まっていると考えます。
ですから、ここでいう気の流れの問題とは、胃や大腸の気が行くべき方向にうまく流れて行かないという意味なのです。
自然にはさまざまな摂理がありますが、こうしたわたくしたちの身体の中に備わっている気(生体エネルギー)もそのひとつです。
人間の体内を巡っている気(生体エネルギー)にはいろいろな種類があり、自然の摂理で行くべきところへ循環していれば健康が保たれるようになっています。
気(生体エネルギー)は精神状態や環境変化など、さまざまな要因で流れが悪くなったり、どこかで滞ってしまったりします。
コロナ禍による生活の変化がストレスになって、気の流れが乱れる場合もあるかもしれません。
そこで昨日は「まいにち薬膳ライフ」ライブ配信にて、熱と老廃物を取り除く大根に関連して、身体の中の気が働く方向に触れました。
すると視聴してくださった方が、気の流れには方向があることを知って、とても興味を持ってくださいました。
そこで、胃や大腸など消化や排泄に関わる気(生体エネルギー)は、自然の摂理で下の方に働くことを、少し踏み込んでお話しをしました。
ご興味がございましたら、こちらからご覧いただけます。
気をコントロールする大根の薬膳でお通じを改善
先にご説明したように、薬膳は中国伝統医学(中医学)に基づいた「食事療法」です。
でも一般的には「薬膳料理」だと思われてしまうことが多いです。
特に身近な食材で組み立てた家庭薬膳の食事療法は、説明がないと普通のお料理に見えますよね。
しかし完成した薬膳フードセラピーの料理には、中国古代哲学や中医学の先人の知恵を活かした目に見えないフードセラピーの極意が含まれています。
昨日のライブ配信でご紹介した身体の中に溜まった熱や老廃物などをデトックスする薬膳もそんな家庭薬膳の一品。
「枝豆とレタスのみぞれ豚しゃぶ」でした。
熱と老廃物をカラダから取り除くカンタンおいしい薬膳フードセラピー。
大根はデトックスの代表選手のような薬膳素材のお野菜です。
身体の熱を冷ましたり、消化を助けたり、気の流れを下に降ろしたりする働きがあります。
今回は大根をそのままおろしてみぞれに見立て、豚肉のしゃぶしゃぶにのせたシンプルな作り方。
大根の解熱作用を生かしたかったので、敢えて加熱せずに生のままおろすという調理法を選びました。
このように普通のおかずですが、薬膳フードセラピーにはいつも、見た目だけでは分からない中医学で組み立てる「中医レシピ」の魔法が隠されています。
熱を降ろす生の大根の働きで熱を冷まそうとしたのは、こうした魔法のひとつでした。
そしてもうひとつの魔法が、大根で身体の中の気(生体エネルギー)の向かう先を食べ物でコントロールするということだったのです。
一体どういうこと!?と思われるかもしれません。
その意味するところは、ライブ配信のタイトル「降ろす」にヒントが隠されています。
そうです。
まずお通じの改善に、食べたものが逆流したり、詰まったりしないように、気を降ろす働きを持つ薬膳素材の大根の働きを見極めました。
そして、胃や大腸の気が正常に働いて消化したものや老廃物を下に降ろすように、大根の働きで消化や排泄にかかわる代謝の機能を助けているのです。
今回例に挙げた薬膳の目的(ゴール)は熱や老廃物をカラダの外に出すことでしたから、この料理の主役は気を降ろす力が強い大根でした。
まとめ。「枝豆とレタスのみぞれ豚しゃぶ」で便秘解消のワケ
「枝豆とレタスのみぞれ豚しゃぶ」は、熱を冷まし気を降ろす大根の働きで、暑気払いしたり、消化を担う胃や解毒を担う大腸の働きを促進して便秘を解消したりする薬膳フードセラピーでした。
薬膳ライフは、中薬(生薬)を使おうが使うまいが、一日3食の全てを中医レシピを考えて食べる薬膳フードセラピーの暮らし方。
それは毎食自分で作らなければならないということではありません。
たまには外食したりお惣菜を買って来てもよいのです。
薬膳ライフの知恵があれば、外食のメニューやお惣菜を選ぶとき、病気予防や健康を管理するために何を食べたらよいか、自分で考えられるようになります。
「コロナ禍」プラス「残暑」厳しい今。
マスク着用で体内にこもる熱をリリースしたり、高温多湿で摂りすぎた水毒とともに腸管に溜まった老廃物を除いたりして、お腹スッキリしたい方が多いことだと思います。
わたくしもそんなひとりです。
そして、残暑&コロナ禍の暑気払いとお通じ改善に何を食べようかと思って、さっと組み立てたのが「枝豆とレタスのみぞれ豚しゃぶ」というわけでした。
大根が、胃や大腸の気が下へ下へ降りるのを助けてくれたから、もちろん今朝のわたくしはスッキリ快腸だったのは言うまでもありません。
気が向かった先の薬膳のゴールが爽快なお通じだったことは、みなさんにももうお分かりですね。
中医学で食事療法を考える中医レシピのスキルがあれば、このように家庭でおなじみの食材で薬膳フードセラピーをさっと作れるようになります。
中医学の基本の知識をもち、練習を重ねれば、誰でも家庭で薬膳フードセラピーをできるようになります。
まいにち必ず摂るお食事を大切にしながら、人生を健やかに200%味わい尽くしたい、人生の使命(ミッション)を果たしたい大人女性のみなさんの美と健康を守るお役に立てば幸いです。
機能補助系 消食類 大根 *体温への作用・味の性質・臓腑への働きかけ・作用* 涼 甘辛 肺 胃 理気消食 降気寛中 清熱化痰 化瘀止血 *栄養素・生理機能成分* ジアスターゼ プロテアーゼ |
参考文献
『ナチュラル薬膳生活入門編』 p.200
【前期】コーディネーター養成コース 公式テキスト
『ナチュラル薬膳生活応用編』 p.154
【後期】アドバイザー養成コース 公式テキスト
須崎桂子
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