ナチュラル薬膳生活文化普及協会理事長、薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです♪
これまで薬剤師、看護師、料理教室の先生、エステティシャン、薬膳の専門家になりたい大人女性のみなさんに、本格的な薬膳コースをオリジナルテキストで十数年教え続けてきた実績を持っています。
東京を含む首都圏では昨年末から連日新型コロナ感染者の数が増え続け、いよいよ政府がふたたび緊急事態宣言を発動する直前まできましたね。
ナチュラル薬膳生活カレッジ柏本校サロンも首都圏の千葉県にあるので、こうしたコロナ感染者の増加の状況をみながら教室でのレッスンは少人数制が基本。
マスク着用・アルコール消毒の徹底・風邪をひかない程度に換気を行って、感染予防に気を付けています。
そんな中、お正月のおうちディナーに素晴らしい「天然のクエ」を鍋物用に手に入れたので、免疫力を上げる薬膳鍋に変身させるために手元にたくさんある柚子を使って薬膳調味料「柚子ポン酢」を作りました。
活用したのは、年末にご紹介した里山から届いた大量の柚子で作った「柚子酢」。
免疫力を上げる薬膳の考え方にはおもに3つあるのですが、柚子ポン酢はそのうちのひとつの考え方に基づいて作れるかんたんな薬膳調味料です。
そこで今回は・・・
ちょっと珍しい「クエ」という薬膳素材辞典には載っていないお魚の鍋物に柚子を組み合わせて免疫力を上げる薬膳鍋に変身させるかんたんな魔法。
免疫力を上げる薬膳3つの基本の考え方。
免疫力を上げるかんたんおいしい薬膳調味料「柚子ポン酢」。
これらについてご紹介します。
薬膳素材辞典にない「クエ」というお魚の鍋物が柚子で免疫力を上げる薬膳鍋に変身。
お正月も三が日が過ぎましたが、ちょっとぜいたくな「クエ」という天然のお魚の鍋物用が手に入りました。
そのまま頂けば普通の鍋物ですが、新型コロナの感染が心配で不安なみなさんのために、これを免疫力を上げる薬膳鍋に変身させる「柚子ポン酢」をたっぷり組み合わせる柚子の免疫力セラピーを分かち合います。
寒い冬は柚子風味で鍋物という食べ方でお料理を頂くこと自体は、体を温めるので免疫力を上げる薬膳の調理法にはピッタリ。
体を温めると免疫力に関わる白血球免疫細胞が元気になるので、柚子でお鍋を頂くだけでも免疫力を上げる薬膳フードセラピーとしては、よい食べ方といえるからです。
ところで、クエはもともと薬膳の生まれた中国で食べられてきたお魚ではないので、薬膳素材辞典には載っていません。
ですから、体を温めるとか冷ますとか、そのような効果効能の話を薬膳の見方からではお話しできないのです。
でもハタ科の白身魚なので、薬膳の一般的な考え方でいうと、免疫力を上げて元気になる気を補給したり、浮腫みを除いたりする働きが期待できます。
中国伝統医学(中医学)でいう「気」には、さまざまな種類があるのですが、体の中の気のひとつは「衛気(えき)」といわれ、外敵から身体を守る免疫力のような働きがあります。
ですから、わざわざ免疫力の薬膳食材だと謳わなくても、クエを頂くこと自体が免疫力を上げるのに役立ちそうに思います。
「クエ」は以前、伊豆でスキューバダイビングをしたときに見たことがあるのですが、とても大きなお魚です。
大きく育つまでとても時間がかかるので養殖に向かないため、天然ものでしか手に入りません。
めったに食べられない珍しいお魚なので、免疫力を上げてコロナに負けず、2021年も健康に過ごせるように幸せを願うお正月にクエのイノチに感謝しながら「柚子ポン酢」をたっぷり使う免疫力の鍋料理としていただきました。
免疫力を上げる薬膳3つの基本の考え方
中医学には比較的新しい中医免疫学という中医学の解釈に基づいた免疫力の学問分野があり、伝統医学に現代医学の知見も融合しているのが特色の免疫力研究です。
そして先ほどご紹介した体を守っている衛気のような免疫力にかかわる気の一種を、まるで現代免疫学の白血球免疫細胞のようにとらえています。
こうした中医免疫学の研究もふまえて免疫力を上げる薬膳づくりを考えると、免疫力の食べ方には3つの基本が見えてきます。
今回ご紹介している「柚子ポン酢」はこうした免疫力を上げる薬膳3つの基本のなかのひとつです。
免疫力を上げる薬膳3つの基本
1.「気(生体エネルギー)を補充する。」
ウイルスや菌などの外敵が体内に入らないように防ぐ気を生み出す食べものを摂る。
2.「陰陽バランスを整える。」
補給・解毒・調和を組み合わせて、ホメオスタシス(恒常性)を保つ食べ方をする。
3.「体内の循環をよくして臓腑を活性する。」
気血や体液の流れを保って内臓を正常に働かせる食べものを摂り食べ方をする。
先にご紹介したクエを例に挙げると、ハタ科で気を補給する魚なので、免疫力のモトになる気が不足気味の時に食べると、気を補給することになって免疫系も含めて全体の陰陽バランスが整います。
ここでいう陰と陽は森羅万象に存在するモノやコトの全く正反対の事象。
不足は理想的なバランスに対して減少している状態なので、正反対の増加つまり補給することで全体のバランスがちょうどよく整うのです。
柑橘類の柚子の例では、かんきつの良い香りで体内の循環をよくして内臓の働きを健やかに保つことで免疫系も含めて生体の生命活動の全体の調和を整えます。
内臓がよく働くと食べたものの消化吸収が促進して、食べ物から免疫力として働く「気」を効率よく生み出すことができます。
その結果、柚子のような体内の循環を良くする薬膳食材や食べ方は、免疫力を上げることにつながっていくのです。
柚子が旬の冬に手軽に作れる「柚子ポン酢」
柚子ポン酢は、毎冬、柚子が大量に手に入るのでよく作りますが、現代栄養学的に見てもビタミンCが多い柚子を食べることはカゼやインフルエンザの予防に役立ちます。
柚子に含まれるビタミンCは白血球免疫細胞を強化して、ウイルスや菌が細胞に入り込もうとするのを邪魔してくれるのです。
だから新型コロナの感染予防に限らず、もともと柚子は冬場の感染症予防に食べられてきた日本の薬膳食材です。
日本に冬至に柚子湯に入る習慣があるのも、先人が経験則で柚子が冬に流行るカゼやインフルエンザの予防に役立つことを知っていたからなのですね。
実際にわたくしや家族は薬膳を初めてから免疫力が上がったのでインフルエンザにはかかったことはなく、お医者さまにかかるほどのカゼも引かなくなりました。
病院に行くのは年に1度の人間ドックや婦人科検診といったような、病気の2次予防つまり早期発見・早期治療の目的のことがほとんどです。
なお、このブログの末尾には柚子は身体をやや冷ます「涼」の性質をもつと記載されていますが、これは原典の情報源が中国の中医師の書籍なので実は中国の柚子のことです。
中国の南の温かい雲南省などでとれる頭くらい大きな果実で、日本の柚子よりも九州特産の文旦に近い柑橘類なのです。だから厳密にいうと、日本の柚子のことではありません。
日本の柚子も、もちろん氷入りのチューハイなどで冷たいまま胃袋に流し込む方法ならお腹を冷やすことでしょう。
でも今回ご紹介している熱々の鍋で柚子調味料として頂くように、調理法や食べ方次第で体を冷やすことにはなりません。
「柚子ポン酢」の作り方はとても簡単。
クエ鍋にはアミノ酸調味料のような添加物が入った「柚子ポン酢」がついていたのですが、ナチュラル薬膳生活ではなるべく自然の食材を食べて健康を守るのが基本。
ですから、サクッと手作りしました。
それが今回ご紹介している「柚子ポン酢」。
材料(2人分)
柚子果汁 大2 (およそ柚子2個分)
純米酢 大1
薄口しょう油 大1
作り方
①柚子を横半分に切って絞り種を除き果汁をとる。
②純米酢と薄口しょう油を混ぜ合わせる。
自分で作れば自分の口に入る調味料に何を入れているのか分かるので安心ですね。
まとめ コロナ第3波のお正月。食事で免疫力を上げたくありませんか?柚子ポン酢で病気予防のかんたん薬膳調味料。クエ鍋が薬膳鍋に変身。
今回はクエ鍋に柚子酢を使って、免疫力を上げる食事の例をご紹介しました。
免疫力の材料になる気を食べ物から補給したり、温かい鍋物のような調理の方法で頂いたり、ビタミンCの補給に役立ち香りのよい柑橘類を家庭料理に取り入れることで、免疫力を上げる働きを得ることができます。
お正月なのでクエを使いましたが普段は手に入れにくい高級魚なので、もっと手軽なタラちり鍋のようなお料理を柚子ポン酢でいただくことで免疫力を上げる薬膳鍋に変身させることができます。
こちらは先日のマンツーマンZOOM薬膳体験レッスンのときの、薬膳食材についてのお話しの部分の抜粋ですので、よかったらご参照ください。
デトックス系 理気類 柚子 *体温への作用・味の性質・臓腑への働きかけ・作用* 涼 酸甘 肝 脾 肺 理気消食 化痰 解酒毒 *栄養素・生理機能成分* フラボノイド テルペン ヘスペリジン(果皮) ビタミンC カリウム β-カロテン カルシウム |
参考文献
『ナチュラル薬膳生活入門編』
【前期】コーディネーター養成コース 公式テキスト
『ナチュラル薬膳生活応用編』
【後期】アドバイザー養成コース 公式テキスト
須崎桂子
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