こんにちは。
ナチュラル薬膳生活文化普及協会理事長、薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです♪
これまで薬剤師、看護師、料理教室の先生、エステティシャン、薬膳の専門家になりたい大人女性のみなさんに、本格的な薬膳コースをオリジナルテキストで十数年教え続けてきた実績を持っています。
今回のコーディネーター養成コース【前期】の理論レッスンでは、中国伝統医学(中医学)に基づいて、よく聞くよく言う「ゴゾーロップ」の正体について、楽しくお話ししました。
ゴゾーロップの正体とは?
日本人はキューっと冷たいビールを飲んだり、熱燗の日本酒をおちょこから一口すすったりして、「あ~、ゴゾーロップにしみわたる~♪」と、外からは見えないカラダの中に思いを馳せて(?)言うことがありますね。
考えてみたら、自分は薬膳のお勉強を始めて中医学を本格的に学ぶまで、「ゴゾーロップ」が何なのか、ほとんど気にしたことはありませんでした。でも漢字で書いたら「五臓六腑」なので、内臓のことだろう・・・くらい、たいていの人は想像がつくと思います。
それが中医学の扉を開いて、森羅万象を五種類のカテゴリーに分けて捉える「五行学説」や、特定の臓と腑を裏表のコンビネーションで仲間わけする「陰陽学説」を学ぶようになると、腑がひとつ余計に多いことが気になりだします。
ね?陰陽五行説で見てみると腑は五つでしょう?
陰陽五行説でみる |
陰陽学説 |
|
---|---|---|
五行学説 |
五臓 陰 |
五臓 陽 |
木行 | 肝 | 胆 |
火行 | 心 | 小腸 |
土行 | 脾 | 胃 |
金行 | 肺 | 大腸 |
水行 | 腎 | 膀胱 |
♣参考文献
『ナチュラル薬膳生活入門編』陰陽五行説 p.50 須崎桂子 ナチュラル薬膳生活文化普及協会
実はもう一つ、ここで記されていない腑は「三焦(さんしょう)」という概念的な臓器なのです。
三焦は、私たちの体幹そのものを、ひとつの大きなパイプのようにイメージしたような臓器です。そして、その大きな太いパイプの内部に五臓五腑が収まっていると考えます。
三焦は通り道のような働きをすると考えられていて、五臓五腑が作り出した「気(き)」や「血(けつ)」などの栄養物質や、水液は三焦の内部を昇ったり降りたりして循環させ、必要なくなった老廃物は三焦を出て身体の外に捨てられます。
ですから、「ゴゾーロップ(五臓六腑)」の正体は、「肝」、「心」、「脾」、「肺」、「腎」の五臓と、「胆」、「小腸」、「胃」、「大腸」、「膀胱」、「三焦」の六腑から成る、中医学的な内臓全体の捉え方とも言えるでしょう。
中医学理論も学ぶワケ
ではなぜ、本格的な養成コースでは、こうした中医学の理論も学ぶのでしょう?
それは、先人の知恵に基づいて身体(「ゴゾーロップ」もその一部ですね^^)の本来の働きを知っておけば、その機能がうまく働かなくなったとき、軽い不調ならある程度、自分で原因を探れるようになるからです。
体調不良の原因やメカニズムを大体つかめば、「毎日のお食事でケアできるかな?」と考え、まず家庭薬膳で様子を見ることができるというワケです。
中医学の基礎理論を学ぶ専門家養成コース
専門家養成コースには前期と後期があります。前期では中医学理論の講義で、わたし達のイノチを支えている臓腑の働きをマクロな視点から全体的にざっくり学びます。
さらに後期に進むともう少しミクロな視点で、個別の臓腑の働きにを学びます。
「肝(かん)」ちゃんの働きはこうでしょう、「腎(じん)」ちゃんの働きはこうでしょう・・・という風に、毎回ひとつずつ主人公に見立て、スポットライトを当てて、カラダの中のお友達のように、もっと細かくご紹介していくんです。
中医学におけるこの分野のコトを「臓腑学説」というのですが、とかく難しくなりがちなのが難点でした(>_<)
それを、生徒さん達が抽象的な中医学理論で「こんがらがらない」よう、講師が可愛いイラストを使いながら、前期で学んだことをベースに、分かりやすく楽しくレクチャーを進めていきます。
『ナチュラル薬膳生活入門編』 「理論3」
「五臓六腑について」 p.78 参照
須崎桂子
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