ナチュラル薬膳生活文化普及協会理事長、薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです♪
これまで薬剤師、看護師、料理教室の先生、エステティシャン、薬膳の専門家になりたい大人女性のみなさんに、本格的な薬膳コースをオリジナルテキストで十数年教え続けてきた実績を持っています。
冷え症さんはパイナップルをガマンすべき?
けいてぃーは講義中心の終日レッスンのときには自分を癒す薬膳ランチを持ち歩きます^^
先日も「自分自身が生徒として学びに行く」お教室せんせいのMBAチックなアカデミーに終日で通学した際、ランチを持参してしまいクラスメイトのお教室先生たちに驚かれました。
もちろん外ランチの予定が決まっていれば、ランチ持参はしないで皆でわいわいお出かけランチも好きです♡
けいてぃーはスーパーマーケットやコンビニのお弁当がほとんど口に合わないので、ランチを座って食べる場所さえあればお弁当を持って歩く人。
お勉強に出かけたその日は、 冬場の乾燥でカラダがパリパリに乾くので、潤い補給の豚肉と消化を助けるパイナップルのソテーを詰めて、「潤いの薬膳お弁当」でした。
翌日のメディカルハーブの養成コースでも、調理実習がない終日集中レッスンだったので、豚肉とパイナップルがまだ残っていたし美味しかったので、また同じメニューをランチボックスにぎゅうぎゅう詰め込んで。
けいてぃーの薬膳弁当は、オトコ飯(おとこめし)系。
いつも、ご飯が下に入っていて直接おかずをど~んとのっける「お丼スタイル」です。
だからいつも主食が見えないけれど、こちらは冬虫夏草のパウダーで炊いた呼吸器を温める薬膳ご飯が隠れているのですよ。
肺は乾燥に弱いからこの時期に冬虫夏草を使うのも悪くないですね。
自分で作った手作りランチは何を材料に使っているか分かっているし、人工化学添加物がなるべく入らないように注意しているので安心。
ほっとして美味しく頂けるのが嬉しいのです^^
職場に通勤する家族にもほぼ毎日、こんな風な薬膳弁当を持って行ってもらっています。
・・・先日は、「お弁当にパイナップルを入れたんだ~。」とメディカルハーブの生徒さんとおしゃべりしていたら、素朴なご質問がありました。
「パイナップルは大好きなんだけれど、身体を冷やすから普段は食べるのを我慢しているんです。ワタシは冷え症だから・・・」
けいてぃーも生まれつきの冷え性体質なので、生徒さんのご心配は分かります。
それなのにパイナップルが薬膳のお弁当に入っているワケは・・・? なぜでしょう?
薬膳素材の性質を和らげる工夫をすれば
確かにパイナップルには、薬膳的にいうと「清熱通便」という働きがあり、腸管の内部が熱くなって老廃物がたまってお通じが詰まる「熱性便秘」の解消に役立ちます。
でも、性質で見ると温めもしない冷ましもしない「平(へい)」の薬膳素材です。
冷やすチカラが強い「涼(りょう)」や「寒(かん)」の薬膳素材ではありません。
「じゃあ大丈夫。冷え症でもパイナップルをガンガン食べちゃえ!」
・・・ではありません。これが、薬膳素材の解釈の難しいトコロなのです。
「薬膳素材の分類」を調べるときは、文献の記載を額面通りに受け取らないで、まずは自分でもどう活用したいのか考えてみてくださいね。
スーパーマーケットの果物売り場には、こんな風にカットパインがおいしそうに並んでいるのをよく見かけます。
確かに冷やしたパイナップルをそのまま食べたら、身体は冷えてしまいます。
しかし、猛暑の真夏や熱病で高熱が出ている場合なら、冷え症さんでも火照った身体を冷ます必要がありますから、生のパイナップルを適度に食べるのは決して悪くありません。
ですから、季節や体調によって冷え症さんでもパイナップルを食べてもよいということになります。
でも冬の寒い時期にパイナップルが食べたくなったら、どうなの?と思いますよね。
実はけいてぃーがそうでした。
まだ今は寒い時期なのに、スーパーマーケットで完熟カットパインが棚に並んでいるのを見たら、モーレツに食べたくなったのです。
「食べたいな、食べたいな。冷え症なのにパイナップルが食べたいな・・・(^^ゞ。」
これは恐らくココロとカラダの声。だから即!そのパイナップルを買いました。
但し、完熟パイナップルを見たとき脳裏に浮かんだのは・・・
「やった!熟してブロメリンが減っているからお口の中がチクチクしない。」
それから、
「このパイナップルは豚肉と炒めて食べたいな。」
・・・という連想でした。
ブロメリン(またはブロメライン)は、パイナップルに含まれている植物化学成分のひとつで、たんぱく質を分解する消化酵素。
あまり熟していないパイナップルは甘味より酸味が強いし、ブロメリンが多いのです。
だから、追熟が足りない生のパイナップルをお口に入れると、ブロメリンがお口の中や舌のたんぱく質を溶かそうとするからチクチク痛い(>_<)
甘く熟したパイナップルはチクチクしないから食べるときに安心なのです。
それからたぶん、けいてぃーはお正月にお餅やご馳走を食べたので、身体に老廃物がまだ残っている感じ。
ブロメリンが減った完熟パイナップルでも、食べるとお腹がすっきりするからでしょう。消化を助けるために、カラダがパイナップルを欲したのかもしれません。
パイナップルがステーキの上に乗っていたり、酢豚に入っていたり、肉料理に使われるのもお肉の消化を助けるし、おいしくなるから。
そして身体を冷やす心配のある薬膳素材は、加熱調理して冷やす作用を減らす工夫が出来ます。
だから、身体を潤す豚肉で薬膳のお弁当を作るときに、消化を助けるパイナップルを加えて一緒に炒めたというワケです。
ちなみにブロメリンは60℃以上の加熱で消えてしまうそうです。
だから、パイナップルを加熱調理すると消化促進の働きは期待できなくなるといわれています。
でも、パイナップルをお肉と加熱調理して頂いても、やはりある程度は消化を助けてくれているような気がするのです。
食後に胃もたれしにくいし、お腹すっきり感があるから。
そもそも、パイナップルは、ほぼ単一成分の胃腸とは異なり、植物系で多成分から成る薬膳素材。
体内の老廃物を身体の外に追い出すカリウムや食物繊維も含んでいるし、エネルギー代謝を助けるクエン酸やビタミンCも入っています。
だから、冷え症さんがパイナップルが食べたいなあ・・・と思ったら、暑い時期や、身体に老廃物が溜まっているとか、理由があるかもしれません。だから、身体を冷やす心配があってもパイナップルを食べたくなったら、是非、こんな風に加熱調理で冷やす作用を和らげて召し上がってみてくださいね。
ちなみに、「豆乳パインのチキンパスタ」は夏の薬膳会でけいてぃーがご披露したカンタンおいしいおもてなし季節薬膳の一品。
パイナップルを加熱しておいしく頂く薬膳調理のアイデアが思い浮かばなかったら、レシピをご紹介しますので、どうぞご参照ください。
季節薬膳レシピ誕生のストーリーは、【ナチュラル薬膳生活マガジンアーカイブ20160801】をお読み頂ければと思います。
【薬膳レシピ】豆乳パインのチキンパスタ
【テーマ】夏バテ予防の薬膳フードセラピー
【食養生の手法】パイナップルで暑気払い・・・プラススタミナ補給は鶏肉で。
【材料(4~6人分)】
A:
オリーブオイル 大2
大蒜 みじん切り 1片分
玉ねぎ みじん切り 1個分
鶏もも肉(下ごしらえ済)300g
自然塩 小1/2
米粉 大2
白ワイン 大2
粒マスタード 小2
豆乳 400ml
B:(ゆで時間10分)
ペンネ 320g
粗塩 大1
沸騰した熱湯 2ℓ
オリーブオイル 大2
C:
胡瓜 千切り 1本分
パイン いちょう切り 160g
【作り方】
①フライパンでAを順に炒め、豆乳クリームソースを作る。
② Bがゆで上がったら湯を切り、オリーブオイルを絡める。
③①、②、Cを和え、オプションでハーブをあしらう。
【補足ポイント】
①塩加減は季節や高血圧症など体質により各自調整をしてください。
②脂質異常症の方は、鶏肉の皮や脂肪分は取り除いてください。 高脂肪の乳製品を使わないので、食後に胃もたれしないし見た目よりもさっぱりして、爽やかに頂けます。
♣豆乳パインのチキンパスタ
須崎桂子
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