終活サポートの家庭薬膳
ナチュラル薬膳生活シニアインストラクターの須崎桂子です♪
梅がほころび暖かな春に向かって、ウキウキする季節がやってきましたが、家庭薬膳でシニアの方の終活サポートに参りました。ですので、少ししんみりした話題になります。
終活サポートの家庭薬膳は、シニアの方が現代西洋医学の治療が効かなくなっても、お食事が摂れる状態である限り、ムリのない範囲でおうちで楽しむ食事療法です。
残されたイノチに前向きに取り組んでいらっしゃる方へ、家庭薬膳をお作りしたり、簡単に作る方法をご説明してきましたが、こちらも多くを学ばせて頂きました。
日本は本格的な高齢化社会に入り、内閣府の統計によると2015年には65歳以上の総人口比率が26.7%に達しているとのこと。これは4人に1人がシニア世代というとらえ方です。
もちろん、60歳代ではまだ若々しい方が多いです。従って、高齢者の定義を何歳からと考えるかによって、高齢化のパーセンテージは変わります。
いずれにしても、厚生労働省の統計で70歳くらいとされる平均的な健康寿命を少しでも伸ばして、実際の寿命とのギャップを減らし、人生を健やかに過ごしたいものですね。
そのためにもシニア世代に入る前に、自分自身が今からナチュラル薬膳生活を心がけていると言うワケです。
ところで、薬膳フードセラピーはそもそも、変わりゆく状況に合わせて、処方を変えていく食事療法です。
ですから、臓腑の機能が次第に弱くなっていくことが予想されるケースでは、それに合わせて様子を見ながら、消化吸収にかける負担が少ない薬膳素材や調理法を選んでいくことになります。
今、見られる症状は、明日には変わってしまうかもしれません。病院のお食事では一律に大量の食事を作るので、食べる人ひとりひとりの状態に合わせて、こまめにレシピを調整するのはとても難しいです。
でも家庭薬膳には、ちょっとずつ調整してほんの少しでも美味しく食べられるよう様子を見ながらちょっとずつ調整できるメリットがあります。
薬膳でむくみを改善
先日の終活サポートの家庭薬膳では、不調のひとつとしてむくみがあるとお聞きしていたので、まず「小豆」で改善しようと考えました。
お医者様の見立てでは、ご病気がリンパ系に及んでいるのではないかということでした。リンパ系が担う水液の代謝がうまく行かなくなると、身体の中に水毒がたまりやすくなるからです。
そのためでしょうか。足がパンパンにむくんだり、湿気を嫌う消化器系統である脾(ひ)に影響が及んでいるようで、食欲が落ちていました。。
小豆は中薬学では赤小豆(せきしょうず)と呼ばれ、水毒を身体の外に追い出す利尿作用があります。今ではその働きが、小豆に豊富に含まれるカリウムやサポニンなどであることが、知られています。
先人は現代栄養学が確立するずっと前から経験に基づいて、水毒を取り除く食事療法に小豆を取り入れてきました。このように、先人の知恵が科学的に立証されていることは少なくありません。
しかし、日本では小豆を和菓子に加工することが多く、たっぷりと上白糖を入れてあんこに仕上げる場合が多いですね。このように精製度の高い甘味を小豆に加えてしまうと、甘味が身体に湿気を呼び込んでしまいます。
今回はむくみの改善に小豆で薬膳を作ったので、シンプルに小豆を水煮して、甘くないお汁粉のに仕上げました。但し、そのまま食べるともちろんあまり美味しくありません。
ここが薬膳フードセラピストの腕の見せ所です。家族一緒に薬膳フードセラピーを、美味しく楽しめるように、カリウムたっぷりでむくみの改善に役立つメープルシロップを甘味づけに選び、別に添えて召し上がるよう提案しました。
こうすれば、食べる人によってメープルシロップの分量を調整できますから、オーダーメイドのように自分に合う甘さの薬膳スイーツ「メープル小豆のお汁粉」をさっと作ることができます。
この方法でご家族の皆さまにもご試食頂きましたが、それぞれの体調に合う甘さにしたからでしょう。美味しい!と、完食してくださいました(#^^#)
予想はしていましたが、やはり浮腫みのひどい方は、以前好きだった甘いものを最近食べたくなくなったというお話しでした。
お身体が本能的に、強い甘味がむくみを悪化させると分かっているからかもしれません。
実際、甘くない小豆のお汁粉100g程度に対して、小さじ半分程度のメープルシロップを加えただけで十分だったようです。
小豆自体の自然な甘さも楽しみながら、美味しそうに食べてくださいました。
薬膳でお薬による吐き気を緩和
なお、ナチュラル薬膳生活では、「現代西洋医学」のよいところは活かしつつ、伝統医学に基づいている薬膳などの「代替療法」も家庭生活に取り入れています。
必要に応じてお医者様の治療や処方するお薬は使いますので、「現代西洋医学」と「代替療法」のメリットを組み合わせた「統合医療」の立場にあります。
お医者様からは、そのシニアの方に痛み止めのお薬を処方しており、その副作用で吐き気や食欲不振などの症状がでるだろうと伺っていました。
お食事の制限はありませんでしたので、吐き気を止める薬膳フードセラピーに使おうと、すぐに思いついたのは薬膳素材は「生姜」です。
生姜はショウキョウと呼ばれる中薬のひとつです。家庭の薬箱に常備されていることが多い葛根湯にも、ショウキョウは含まれています。
もちろん、スーパーマーケットで手軽に買えるので、薬膳作りに重宝する食材です。
生姜には、胃を温めて吐き気を止める「温胃止嘔」という作用があるのですが、民間療法でつわりの妊婦さんの吐き気の緩和にも使われてきました。
フレッシュな生姜には、ジンギベレンという芳香成分が含まれています。ナチュラル薬膳生活では、食材の持つ芳香成分を食べるアロマセラピーとして、不調の改善に用いる場合もあります。
例えば、食欲があまりないとおしゃっていた方に、生姜の働きをお話しして、千切りの香りをかいで頂いたら、自主的に一切れ口にして少し気分が改善したようでした。
もともと生姜の千切りは、甘くない小豆のお汁粉に添えるために、たっぷり作っておいたものです。
あれあれ?お話ししているうちに「まだご飯を食べていない・・・」と食欲がわいてきたようでした。炊飯器にご家族が残しておいてくださった温かいご飯があったので、残り物の焼き鮭をほぐして生姜の千切りと混ぜご飯にして供してみました。
すると、お茶碗に半分くらい召し上がってくださったので、こちらもほっと胸をなでおろしました。
実はこの後、甘くないお汁粉を「メープル小豆のお汁粉」と称してメープルシロップと生姜の千切りを添えて、デザートに召し上がって頂いたのでした。
小豆のお汁粉にメープルシロップと生姜を添えて
甘くない「小豆のお汁粉」には、お好みの量のでメープルシロップを加えて頂きましたが、一緒に添えた生姜の千切りも大変好評でした。
この家庭薬膳は簡単に作れますし、いろいろな原因で生じるむくみの改善に応用が利きます。美味しいのに解毒効果が高いので、糖尿病や脂質異常症のケアなど、生活習慣病の予防・治療や、ダイエットに取り組んでいる方の食養生にもお勧めです。1人分で約100kcalと低カロリーなのも嬉しいですね。
【家庭薬膳レシピ集】でご紹介していますので、どうぞ参考にしてみてください。
♡むくみを改善するために供する場合は、メープルシロップを入れすぎないように注意しましょう。甘味を摂りすぎると、身体に湿(しつ)をためるのでかえってむくみを悪くしてしまうからです。 ♡家族みんなで美味しく頂けるよう、メープルシロップや生姜の千切りを別添えにしました。年齢や体質などに合わせて、加える分量を調節してください。 ♣参考文献・データ
『ナチュラル薬膳生活入門編』須崎桂子 ナチュラル薬膳生活文化普及協会
『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』文部科学省
『食材健康大辞典
『ナチュラル薬膳生活入門編』
薬膳素材の分類 去湿類
小豆 p.160 参照
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