こんにちは。
ナチュラル薬膳生活文化普及協会理事長、薬膳ライフコーチ須崎桂子けいてぃーです♪
これまで薬剤師、看護師、料理教室の先生、エステティシャン、薬膳の専門家になりたい大人女性のみなさんに、本格的な薬膳コースをオリジナルテキストで十数年教え続けてきた実績を持っています。
さて、コロナ禍の2020年がまもなく過ぎ去ろうとするクリスマスシーズンは、ちょっと神聖な気分になって2021年へのカウントダウンを始めるスピリチュアルな時期です。
でも華やぐホリデイムードに浸っているだけでなく、「年末の大掃除をさっさと済ませなさいね。」と、天の声がどこからか響いてきてはっと我に返り、お掃除という現実的な労働にせっせと精を出す時期でもあります(^^;)
そこで柏本校サロン教室では冬の薬膳ランチ会の前から少しずつ。お掃除を始めていたのですが、今、もうひとつ気になっている場所は、カラダの中、特に五臓六腑のひとつ、「大腸」の掃除のこと。
寒くなると内臓の働きが落ちやすいので腸のぜんどう運動が鈍くなるから、便秘になりやすい人は少なくありません。
薬膳の先生のわたくしも、もともと冷え症体質で冬は臓腑の動きが悪くなるタイプ。
ですから、年末年始のごちそうシーズンは少しで大腸をきれいにしたくて、お通じがよくなる食べ物をつかって「腸活薬膳」をしています。
というわけで、薬膳デトックスでカラダの中もきれいにしちゃう、年の暮れの薬膳ライフについて一緒に考えてみたいと思います。
便秘薬に頼る前に食事でお通じ改善はじめたい。でも何を食べたらいいの?
便秘薬に頼る前に本当は食事でお通じを改善したいです。
そうですよね。できればお薬を使わずに自然なお通じで毎日を快適にすごしたいですよね。
もともと便秘症で、ひどいときには1週間もお通じがなくて困っているという方は、その原因が体質のせいであることが多いです。
とにかく、お腹に老廃物が長い時間たまっていると、とても苦しいですよね。
かと言って、きやすく強い便秘薬を使えば、一時的に下剤効果でお通じがあるものの、自然なお通じとは雲泥の差。
不自然な大腸への刺激はお腹がキリキリ痛むし、わざとお腹を壊しているような感じで後味の不快感この上なし。
しかも便秘薬をしょっちゅう使っていると、大腸がお薬の一時的な刺激に慣れてしまって、効かなくなってしまいます。
だから、「何とか普段の食事でムリなくお通じがあるように、根本的な体質を改善したい。」
それはだれにとっても自然な願いだと思います。
でも、お通じ改善には何を食べたらいいの?
そうですよね。
テレビコマーシャルやインターネットでは、便秘の市販薬や保健機能食品(通称トクホ)のヨーグルトや「科学的根拠のないいわゆる健康食品」の効果・効能、またはそれに準ずる表現を謳っている宣伝があふれています。
でも、いままでいろいろな薬や食品や健康法を試したけれど、どうも便秘解消の効き目に納得できなくて、一体どの方法が自分に合うのかわからないというお悩みを耳にすることがあります。
それに、できれば薬や特別な加工食品に頼るより、経済的にも精神的にも負担にならないふだんの食事作りで、自分や家族のお通じがよくなる食べ物で工夫してみたい。
そんな思いで台所を守っている女性たちが、薬膳に興味をもたれることが多いです。
そこでわたくしが先日、冬の寒さでお通じがイマイチだなと思ったときに食した腸活薬膳を例に、ふつうの家庭薬膳に「薬膳の魔法」をかける!けいてぃーの薬膳ライフをご紹介します。
ふつうの家庭料理に「薬膳の魔法」をかける!けいてぃーの薬膳ライフ
薬膳の先生をしているけいてぃーも、寒いとお通じトラブルが増える体質です。
けいてぃーの薬膳ライフは、ふつうの家庭料理に「薬膳の魔法」をかける暮らし方。
冬で寒くなると、それまで毎日あったお通じが数日おきになりはじめるので、季節に合わせて自分の体質に合う腸活薬膳をふだんの家庭料理にとりいれて、お通じ改善の薬膳に変身させます。
ここでご注意いただきたいのは、けいてぃーの腸活薬膳が貴女の腸活に必ずしも合っているとは限らないという点です。
薬膳というのは、ひとり一人に合わせる中国伝統医学(中医学)に基づく食事療法です。
人によって異なる体質や、そのときのコンディションに合わせ、中医学や中薬学などの知識と経験で不調にぴったりな食材や調理法を決めるのが薬膳の醍醐味。
そのためには、中医学はもちろん、必要に応じて現代医学や栄養学を融合して、薬膳レシピを考えることもありますし、運動不足なら運動法、リラックスが必要なら瞑想法を組み合わせることもあります。
例えば先に例を挙げたお通じ改善にトクホのヨーグルトを食べても、頑固な便秘をデトックスできないのなら、貴女のトラブルの原因が腸内細菌のバランスの問題ではないのかもしれません。
薬膳でお通じ改善の腸活薬膳をするには、人の体質やコンディションや原因を必ず先に見極めて、どんなタイプの便秘か見極めます。
それぞれのタイプに合わせて薬膳食材や調理法を決めて薬膳レシピを作成しないと、うまく効果が出ないか、逆効果になることさえあるのです。
中医学の考え方で捉えると、便秘には以下のような7タイプがあります。
これらは家庭薬膳で改善できるような便秘を想定していて、悪性腫瘍やひどい潰瘍など医療従事者の方に診ていただく重篤な疾病が裏に隠れているタイプを除きます。
中医学の考え方にみる便秘の7つのタイプ
1.冷えで腸のぜんどう運動が足りないタイプ
2.精神的な緊張で腸管が締め付けられているタイプ
3.腸の中が乾燥して老廃物が固まっているタイプ
4.貧血による潤い不足で老廃物が出にくいタイプ
5.病後や加齢で老廃物を押し出す気が足りないタイプ
6.熱病や暑さや暴飲暴食で腸の中が熱いタイプ
7.大腸の気の巡りが悪くてガスがたまるタイプ
わたくしの症例では、冬の寒さと乾燥した空気のせいで、腸管が冷えてぜんどう運動が足りなくて、コロナ対応で仕事が大変なストレスで腸管が締め付けられて、腸管が乾燥して老廃物が固まっている、1と2と3のタイプだと自己診断しました。
そして、その診断結果に対してデトックスに処方した腸活薬膳が、次にご紹介する「ごま香る春菊と牡蠣の炒めもの」です。
薬膳の先生が腸活したお通じをよくする食べ物。春菊・ごま油・牡蠣。
なるほど!お通じ改善の食べ物はタイプに合わせて選ぶのですね!
はい。お通じ改善でもどんな不調でもそうですが、薬膳フードセラピーはまず不調のタイプを診察・診断して見極めてから、それに合わせてどんな食材をどう調理するかが決まります。
こちらでご紹介する腸活薬膳に使ったのは、春菊・ごま油・牡蠣ですが、あくまで一例です。
薬膳の先生が家庭料理でスーパーのふつうの食材を使いながら、お通じ改善した解決方法のひとつとして、ご自身の便秘のタイプに応用できそうなら、どうぞ参考にしてください。
「ごま香る春菊と牡蠣の腸活薬膳」の考え方
1.まず、1の冷えタイプに対しては、炒めるという温かい調理法を選びました。
2.そして、2の乾燥タイプに対しては、腸管を潤すためにごま油と牡蠣を使うことにしました。
3.さらに、6の緊張タイプに対しては、春菊に含まれるよい芳香成分で自律神経をリラックスさせて、大腸のぜんどう運動をうながす方法をとりました。
春菊と牡蠣をごま油で炒めるのはとても簡単だけれど、ふつうの家庭料理ではあまり考えつかない組み合わせかもしれません。
春菊は薬膳の考え方によると、良い香りで胃腸の働きを整える働きがあり、お通じをうながす「通便(つうべん)」という作用を持っています。
ですから、お通じを良くする薬膳作りによく使われています。
メディカルハーブや現代栄養学では、春菊の香りには、α―ピネンや、ぺリルアルデヒドなどさまざまな芳香成分が含まれていることが分かっています。
そして、豊富な食物繊維が腸管から老廃物を絡めて体の外に出すのに役立っているのです。
ただし、便秘のタイプによっては、水に溶けない不溶性の食物繊維を摂りすぎると、腸管でその他の老廃物とともに固まってしまって、よけい出しにくくなることがあります。
先に示した5のタイプの便秘であれば、そもそも老廃物を外に出す気のチカラが弱いので、かえって便秘がひどくなることもあります。
ですから、食物繊維も摂ればとるほどいいというわけではないので、体質やコンディションに合わせて、適量を使って便秘の予防やケアに役立てるとよいでしょう。
このように薬膳には、中医学に裏打ちされたレシピを組み立てるための方法論があります。
だから、いろいろな薬膳食材を目的に合わせて選んだら、さっと料理して健康を守ったり不調があれば軽いうちに改善したりできるのです。
もちろん論より証拠、翌日のお通じでおなかスッキリ快腸だったのはいうまでもありません。
まとめ【お通じを良くする腸活薬膳】お通じがよくなる食べ物。春菊・ごま油・牡蠣
便秘薬に頼る前にお食事でお通じがよくなる薬膳生活に切り替えたい場合は、自分の便秘のタイプを理解して、何をどんな料理方法で食べるかを決めるとよいでしょう。
薬膳で食事療法をしたい場合は、薬膳レシピを考案するにあたって、中医学や薬膳の方法論を使うので、その流れを知っておくとよいですね。
今回は薬膳の先生に寒い冬に起こりやすい便秘の症例をつかって、薬膳づくりの理論や、便秘のタイプに合わせて、薬膳食材の中から、春菊・ごま油・牡蠣を選んだ理由をご紹介しました。
デトックス系 化痰類 春菊 *体温への作用・味の性質・臓腑への働きかけ・作用* 平 甘辛 肺 胃 清肺化痰 清心 疎肝明目 和胃通便 *栄養素・生理機能成分* 芳香成分(α―ピネン ぺリルアルデヒド など) 食物繊維 β―カロテン
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参考文献
『ナチュラル薬膳生活入門編』
【前期】コーディネーター養成コース 公式テキスト
『ナチュラル薬膳生活応用編』
【後期】アドバイザー養成コース 公式テキスト
須崎桂子
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